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東西医学の接点に立つ鍼灸療法の専門書,12年ぶりの大改訂!

新刊

図解鍼灸療法技術ガイドⅠ第2版

臨床の場で役立つ実践のすべて

カバー写真
  • 編集主幹:矢野 忠(明治国際医療大学名誉学長)
  • 編集委員:坂井友実(東京有明医療大学教授)
  • 編集委員 北小路博司(宝塚医療大学特別教授)
  • 編集委員 安野富美子(東京有明医療大学教授)
  • A5判・952頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-4711-6
  • 2024年3月5日発行
定価 9,900 円 (本体 9,000円 + 税10%)
あり
在庫
電子版販売サイト

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内容

序文

主要目次

代表的な総合鍼灸技術書の大改訂版.前版からの伝統医学と現代医学の双方による診察法,治療法,そして評価法を系統的に網羅した内容に最新の知見を盛り込んだ.Ⅰ巻では,鍼灸療法の安全性,鍼灸用具,基本手技,および治療的作用(機序),特定部位への刺鍼手技等を解説.さらに「臨床推論」や「理学的検査」でも新規項目を追加して更なる充実を図った.学生の教科書,参考書としても最適の1冊.
図解鍼灸療法技術ガイドⅠ
第2版 序文

 日本の鍼灸療法の特質は,その診療の多様性にみられます.明治時代以降,東西両医学の知見を積極的に取り込んできたのが日本の鍼灸療法です.このことは,伝統医療の枠を大幅に超えるものではなく,むしろ伝統の精神を守り抜いてきた証ともいえます.
 伝統といえば,とかく古くから受け継がれてきたものを守り,継承することと理解されがちですが,そうではなく,その本質を忘れることなく時代とともに変化し,進化するものです.その精神を簡明に表した言葉が「不易流行」です.
 『図解鍼灸療法技術ガイドⅠ・Ⅱ』第1版を出版するにあたり,「不易流行」の精神に基づいて,東洋医学と現代西洋医学の様々な知識,理論,診療技術などを取り込み,鍼灸臨床の場で受療者の状態に応じた適切な診療を行ううえで必ず役立つ実践的な専門書を目指しました.その主旨に多くの執筆者の賛同を得て,第1版を2012年6月に出版することができました.幸いにも多くの鍼灸学生,鍼灸師,医療関係者に活用していただき,また教科書にも採用されました.
 それから10年余り経過し,東西両医学の進歩・発展により新しくなった内容が多々あります.このことを踏まえて,第1版を改訂することになりました.改訂は4年前から開始し,予期せぬコロナ禍に阻まれ,出版は予定より遅れましたが,ここに大幅に刷新した『図解鍼灸療法技術ガイドⅠ-臨床の場で役立つ実践のすべて』第2版と『図解鍼灸療法技術ガイドⅡ-臨床の場で役立つ実践のすべて』第2版の2冊を装丁も新たにして出版することができました.なお,『図解鍼灸療法技術ガイドⅠ』は鍼灸診療の基盤を成す基礎編であり,『図解鍼灸療法技術ガイドⅡ』は鍼灸診療の実践を成す臨床編です.ⅠとⅡは,鍼灸臨床実践において相補的な関係にありますが,それぞれ独立した専門書でもあります.
 この度,第2版の出版にあたり,次の改訂(第3版)を見据え,本書が鍼灸臨床の現場で末永く活用してもらえる専門書として成長することを意図して,新しい装丁とともに副題の「臨床の場で役立つ実践のすべて」に応えられるように各領域を専門とし,教育,研究,臨床で活躍している新進気鋭の先生方と第一人者の先生方に執筆をお願いしました.

 本書の『図解鍼灸療法技術ガイドⅠ』は鍼灸診療の基礎編とし,1)基本的な技術,2)治効理論,3)併用する物理療法,4)解剖による特定部位の刺鍼手技,5)東西両医学の診察法と臨床効果の評価法,6)鍼灸診療に必要な理学的検査法,7)東西両医学の治療方針で構成しました.これらは鍼灸臨床において,リスクを最小化し,臨床効果を最大化するため,診療の基本と効果を客観的に評価し,その効果の機序をわかりやすく説明することができるように系統的な内容で構成しました.
 本書が鍼灸医学を学ぶ学生にとって,鍼灸臨床の基礎を系統的に学習できる専門書として活用していただければと願っています.また臨床に従事されている鍼灸師や医療関係者の先生方には,診療の質を向上させるための基本をさらに習熟させるテキストとして活用していただければと願っています.
 なお,本書の出版にあたり,本書の編集,校正に多大な協力を賜りました編集企画部の中村晴彦様,山口由美子様,赤坂亮太様,西菜々子様に衷心より深謝申し上げます.最後にあたり,本書が鍼灸診療の基礎編としてさらに成長するためにも,本書を活用される皆様方からの忌憚のないご意見を賜れば幸いです.

 令和6年睦月 吉日
 編集主幹 矢野 忠
第1章 伝統的な刺鍼技術・施灸技術
 第1節 鍼灸治療の用具
  1.鍼治療の用具
  2.灸治療の用具
 第2節 鍼灸治療の消毒法・滅菌法
  1.鍼具などの衛生管理
  2.手指および施術野の消毒
  3.治療室・待合室の衛生管理
 第3節 現行刺鍼手技
  1.刺鍼の方法
  2.代表的な刺鍼中の手技
  3.補瀉の術
  4.刺鍼時の感覚(鍼響・得気)
 第4節 古代刺鍼手技の臨床応用
  1.古代刺鍼手技の臨床応用
  第5節 中国の刺鍼手技
  1.補瀉法
 第6節 施灸の基本手技
  1.直接灸・間接灸
 第7節 鍼灸治療における有害事象とその予防
  1.有害事象とその予防

第2章 新しい鍼療法・灸療法
 第1節 鍼通電療法,TENS・SSP療法
  1.鍼通電療法
  2.TENS・SSP療法
 第2節 良導絡
  1.良導絡療法
 第3節 小児鍼・皮内鍼・灸頭鍼
  1.小児鍼
  2.皮内鍼・円皮鍼
  3.灸頭鍼
 第4節 レーザー鍼・スーパーライザー
  1.レーザー鍼
  2.直線偏光近赤外線(スーパーライザー)

第3章 鍼灸の治療的作用
 第1節 鍼灸刺激の鎮痛作用
  1.鍼灸刺激の鎮痛作用
 第2節 鍼灸刺激が内臓機能に及ぼす作用
  1.消化器機能に及ぼす作用
  2.膀胱機能に及ぼす作用
 第3節 鍼灸刺激が循環機能に及ぼす作用
  1.四肢末梢循環に及ぼす作用
  2.筋血流に及ぼす作用
  3.神経血流に及ぼす作用
  4.脳血流に及ぼす作用
 第4節 鍼灸刺激が免疫系に及ぼす作用
  1.自然免疫および獲得免疫に及ぼす影響
 第5節 鍼灸療法のリラクセーション作用
  1.リラクセーション作用
 第6節 体表への「触」刺激の作用
  1.「触(タッチ)」の身心に及ぼす作用
 第7節 酸化ストレスに対する鍼灸刺激の抗酸化作用
  1.酸化ストレスに対する鍼灸の抗酸化作用

第4章 鍼灸臨床に併用する物理療法
 第1節 物理療法
  1.温熱療法
  2.電気療法―低周波療法
  3.電気療法―極超短波療法
  4.電気療法―超音波療法
  5.牽引療法
  6.光線療法―赤外線療法・遠赤外線療法
 第2節 手技療法
  1.マッサージ
  2.筋筋膜ストレッチング
  3.関節モビライゼーション
  4.固有受容性神経筋促通法(PNF)
  5.テーピング
  6.筋力増強訓練
  7.各種疾患別運動法

第5章 特定部位への刺鍼手技
 第1節 頭部・顔面部・頸部
  1.末梢神経傍刺鍼法
  2.筋肉刺鍼法
 第2節 上肢
  1.末梢神経傍刺鍼法
  2.筋肉刺鍼法
 第3節 胸部・背部
  1.末梢神経傍刺鍼法
  2.筋肉刺鍼法
 第4節 腰殿部
  1.末梢神経傍刺鍼法
  2.筋肉刺鍼法
 第5節 下肢
  1.末梢神経傍刺鍼法
  2.筋肉刺鍼法

第6章 現代医学的診察法の基本と評価法
 第1節 診察法
  1.臨床推論
  2.医療面接
  3.診察の記録
 第2節 鍼灸診療に用いる各種評価法
  1.痛みの評価法
  2.QOLの評価法
  3.整形外科領域
  4.耳鼻科領域
  5.泌尿生殖器系領域
  6.消化器系領域
  7.産婦人科領域
  8.精神神経科領域
  9.高齢者のための評価法

第7章 東洋医学的診察法の基本と評価法
 第1節 診察法(四診)
  1.望診
  2.聞診
  3.問診
  4.切診
  5.病証の診断法
 第2節 鍼灸臨床に用いる各種評価法
  1.東洋医学的な評価法

第8章 鍼灸診療に必要な理学的検査法
 第1節 基本的な理学的検査法
  1.血圧測定
  2.打診法の基本
  3.聴診法の基本
  4.触診法の基本
  5.感覚検査の基本
  6.反射検査の基本
  7.関節角度測定の基本
  8.身体計測の基本
  9.徒手筋力検査の基本
 第2節 頸部の理学的検査法
  1.頸部の理学的検査法へのアプローチ
  2.ジャクソンテスト
  3.スパーリングテスト
  4.イートンテスト
  5.アレンテスト
  6.ライトテスト
  7.エデンテスト
  8.モーレイテスト
  9.アドソンテスト
  10.ルーステスト(3分間挙上試験)
  11.頸部の神経学的検査法
  12.頸部の関節可動域(ROM)測定
  13.頸部の筋力検査
 第3節 肩および上肢の理学的検査法
  1.肩および上肢の理学的検査法へのアプローチ
  2.ヤーガソンテスト
  3.スピードテスト
  4.ペインフルアークサイン
  5.ドロップアームテスト
  6.ダウバーンサイン
  7.インピンジメントテスト
  8.スキャプラアシスタンステスト
  9.リフトオフテスト
  10.ベリープレステスト
  11.肩甲上腕リズム
  12.エンドフィール
  13.肘の外反・内反ストレステスト
  14.トムゼンテスト
  15.中指伸展テスト
  16.チェアテスト
  17.ファレンテスト
  18.ティネル徴候
  19.フローマン徴候
  20.ティアドロップサイン
  21.アイヒホッフテスト
  22.肩および上肢の神経学的検査法
  23.肩および上肢の関節可動域(ROM)測定
  24.肩および上肢の筋力検
 第4節 腰背部の理学的検査法
  1.腰背部の理学的検査法へのアプローチ
  2.脊柱の観察法
  3.側弯症検査
  4.ケンプテスト
  5.下肢伸展挙上テスト
  6.ブラガードテスト
  7.ラセーグテスト
  8.ボンネットテスト
  9.Kボンネットテスト
  10.大腿神経伸展テスト
  11.ニュートンテスト
  12.ポンプハンドルテスト
  13.ゲンスレンテスト
  14.パトリックテスト
  15.トーマステスト
  16.腰背部の神経学的検査法
  17.腰背部の関節可動域(ROM)測定
  18.腰背部の筋力検査
 第5節 膝関節の理学的検査法
  1.膝関節の理学的検査法へのアプローチ
  2.膝蓋跳動
  3.下肢アライメント
  4.膝蓋骨圧迫テスト
  5.グラスピングサイン
  6.アプレイテスト
  7.マクマレーテスト
  8.ステインマンテスト
  9.外反・内反ストレステスト
  10.前方引き出しテスト・後方押し込みテスト
  11.ラックマンテスト
  12.Nテスト(中嶋テスト)
  13.膝関節の関節可動域(ROM)測定
  14.膝関節部の筋力検査

第9章 鍼灸療法の治療方針
 第1節 現代医学的な治療方針
  1.現代医学的な治療方針
 第2節 東洋医学的な治療方針
  1.東洋医学的な治療方針

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