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心臓手術後の不安を解消!フォローアップ時の心エコーに必携の一冊!!

新刊

必携!術後心エコーガイドブック

術式イラストと実例から学ぶ評価のポイント

  • 編集:大門雅夫(国際医療福祉大学三田病院循環器内科教授)
  • 編集 真鍋 晋(国際医療福祉大学成田病院心臓外科教授)
  • 編集 中西弘毅(東京大学医学部附属病院検査部講師)
  • B5判・312頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-1970-0
  • 2024年2月19日発行
定価 9,350 円 (本体 8,500円 + 税10%)
あり
在庫
電子版販売サイト

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内容

序文

主要目次

術後フォローアップ時に心エコーで見るべきポイントを術式から理解できる一冊.各術式を3つのパートに分け,まず術者がイラストを多用して解説,つぎに心エコーで見るべきポイントについて網羅的に記載,さらに各評価について実例をもとに実践的なコツや注意点についてまとめた.術式のイラストやエコー写真が満載の,トラブルや合併症を防ぐために手元に置いておきたい必携の一冊.
序文

 皆さんは,「○○○術後のフォロー」という心エコーの依頼があった時に,不安になったことはありませんか?心臓の治療は手術であれ薬物治療であれ,その効果を評価することがその後の治療方針決定にきわめて重要であり,心エコーはその中心的役割を担います.
 心臓手術後の心エコーでは,主に不安になる3つのポイントがあると思います.第一に,「○○○術って何だっけ」と,手技自体を正しく理解できているかという不安です.第二に,「何を評価すればよいのだろう」と,評価方法に間違いがないかという不安です.そして最後に,「この心エコーレポートが術者に求められるものになっているか」という不安です.こうした課題を,自信を持ってクリアできるようになるためには,膨大な知識の習得と相当な経験の積み重ねが必要です.そのため心エコー室には,心エコーの教科書の他にも心臓外科手術やカテーテル治療の解説本が置いてあり,検査前に時間をかけて予習することがしばしばです.しかし,残念ながら,治療手技に関する本の多くは術者育成の視点に立って書かれたものであり,心エコーを行う経験の浅い技師や医師が十分活用するのに適したものだとはいえません.
 そこで今回,心エコーを行う検者の視点に立って,上記の課題を効率的に1冊で解決できる本書を企画いたしました.本書は,それぞれの手技について3つのパートで構成されています.まずはAとして,術者の先生方に,心エコー医・技師にも手技の基本的な部分を理解していただけるよう,図やイラストを添えて解説していただきました.続いてBとして,心エコーのエキスパートの先生方に,それぞれの術後に心エコーで評価すべき点を包括的に解説していただきました.さらに,心エコーでは十分な評価ができない項目については,CTなど他の画像診断の併用などについて適宜アドバイスがあります.最後にCとして,実例を基にして実践的な評価法のコツや注意点を解説していただきました.このように,本書は心エコーを担当する皆様の不安を一掃する構成となっております.是非とも本書を活用して必要な知識を効率的に習得し,術後の心エコーに自信を持って臨んでいただければ幸いです.なお,本書には多くの術後合併症の実例が示されております.これは,病態をご理解いただくために,それぞれの施設で数少ない術後合併症をご厚意で提示していただいたもので,各施設の成績とは無関係であることをご理解いただければ幸いです.
 最後に,お忙しい中ご執筆にご協力いただきました先生方,編集にご協力いただきました文光堂編集部の皆様には,この場を借りて厚くお礼申し上げます.本書が明日からの皆様の臨床にお役立ていただけるよう,編集者一同願っております.

 2024年1月
 大門雅夫
 真鍋 晋
 中西弘毅
第Ⅰ章 開心術一般
 A.開心術とは
 B.開心術一般における術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ開心術後の心エコー
  C-1.心囊液貯留・心タンポナーデ
  C-2.コアグラタンポナーデの病態と診断法
  C-3.術後の局所壁運動異常―これって開心術の影響?
  C-4.MR/AR術前後で左室駆出率の変化はこう考える
  C-5.開心術後の収縮性心膜炎

第Ⅱ章 外科的人工弁置換術
 A.術者が教える外科的人工弁置換術のエッセンス
 B.人工弁置換術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ外科的人工弁置換術後の心エコー
  C-1.人工弁狭窄の診断
  C-2.人工弁狭窄─血栓弁とパンヌスの診断
  C-3.小さすぎる人工弁─prosthesis-patient mismatch(PPM)とは?
  C-4.機械弁の逆流─これって異常?
  C-5.生体弁の構造的劣化と手術時期
  C-6.人工弁感染をどう診断するか
  C-7.人工弁置換術後仮性瘤の診断をどうするか

第Ⅲ章 僧帽弁形成術
 A.術者が教える僧帽弁形成術のエッセンス
 B.僧帽弁形成術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ僧帽弁形成術後の心エコー
  C-1.僧帽弁形成術後の弁機能評価
  C-2.僧帽弁形成術後のSAM
  C-3.僧帽弁形成術後の溶血性貧血
  C-4.機能性MRと術後残存逆流
  C-5.僧帽弁形成術後の人工弁輪の異常

第Ⅳ章 冠動脈バイパス術
 A.術者が教える冠動脈バイパス術のエッセンス
 B.冠動脈バイパス術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ冠動脈バイパス術後の心エコー─冠動脈バイパスグラフト狭窄は心エコーでわかるか

第Ⅴ章 大動脈解離手術
 A.術者が教える大動脈解離手術のエッセンス
 B.大動脈解離術後の心血管エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ大動脈解離術後の心エコー
  C-1.Valsalva洞遺残解離・残存大動脈弁逆流
  C-2.吻合部仮性動脈瘤の診断

第Ⅵ章 心筋梗塞機械的合併症に対する手術
 A.術者が教える心筋梗塞機械的合併症に対する手術のエッセンス
 B.心筋梗塞機械的合併症の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ心筋梗塞機械的合併症術後の心エコー
  C-1.心室中隔穿孔に対する術後評価
  C-2.左室自由壁破裂・心室瘤・仮性瘤に対する外科手術後評価
  C-3.乳頭筋断裂に対する外科手術

第Ⅶ章 Fallot四徴症手術
 A.術者が教えるFallot四徴症手術のエッセンス
 B.Fallot四徴症術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶFallot四徴症術後の心エコー
  C-1.Fallot四徴症術後の肺動脈弁逆流
  C-2.Fallot四徴症術後の右室収縮能・左室収縮能評価

第Ⅷ章 Fontan手術
 A.術者が教えるFontan手術のエッセンス
 B.Fontan術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶFontan術後の心エコー
  C-1.右心系単心室の収縮能評価
  C-2.左心系単心室の収縮能評価
  C-3.房室弁逆流の評価

第Ⅸ章 完全大血管転位スイッチ手術
 A.術者が教える完全大血管転位スイッチ手術のエッセンス
 B.完全大血管転位スイッチ術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ完全大血管転位術後の心エコー
  C-1.心房スイッチ手術後(Senning・Mustard手術)
  C-2.Jatene手術後
  C-3.Rastelli手術後

第Ⅹ章 MitraClip
 A.術者が教えるMitraClipのエッセンス
 B.MitraClip後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶMitraClip後の心エコー

第Ⅺ章 TriClip
 A.術者が教えるTriClipのエッセンス
 B.TriClip後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶTriClip後の心エコー

第Ⅻ章 TAVI
 A.術者が教えるTAVIのエッセンス
 B.TAVI後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶTAVI後の心エコー
  C-1.人工弁周囲逆流
  C-2.人工弁血栓による圧較差上昇,HALT

第XⅢ章 経カテーテルASD閉鎖術
 A.術者が教える経カテーテルASD閉鎖術のエッセンス
 B.経カテーテルASD閉鎖術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ経カテーテルASD閉鎖術後の心エコー

第XⅣ章 経カテーテル左心耳閉鎖術後
 A.術者が教える経カテーテル左心耳閉鎖術のエッセンス
 B.経カテーテル左心耳閉鎖術後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶ経カテーテル左心耳閉鎖術後の心エコー
  C-1.デバイス関連血栓症
  C-2.デバイス周囲リーク

第XV章 左室補助循環(LVAD)植込み術
 A.術者が教えるLVAD植込み術のエッセンス
 B.LVAD植込み後の心エコー評価ポイント
 C.実例から学ぶLVAD植込み後の心エコー
  C-1.LVAD植込み後の心内血栓症評価
  C-2.LVAD回転数の調整と大動脈弁開放時間・全心周期AI
  C-3.LVAD植込み後の右心不全

索引