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文光堂 医学・看護学書出版:since1892

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運動器超音波
  • ご挨拶 大鹿哲郎

  • photo 「関節拘縮」は我々運動器疾患を扱うセラピストにとって,なじみの深い機能障害です.整形外科手術後のリハビリテーションであっても,スポーツ傷害をはじめとする様々な慢性疼痛症候群に対するリハビリテーションであっても,まずは関節可動域とともに関節周辺組織の硬さを評価します.可動域は角度を持って表示しますから誰が行っても基本的に差は出ませんが,周辺組織の硬さや関節を動かした時の抵抗感などは,匠の技を持ったセラピストと経験の浅いセラピストでは,その評価基準がばらつくことが容易に予想できます.この技の差が,治療成績に直結することも私たちは知っていますし,この差を埋めるべくセラピストたちは様々な技術研修会などで勉強を続けています.
     今までの関節拘縮の治療は,解剖学成書を基本として展開されてきました.生きた人間の関節動態を「観る」ことにより,今までの運動療法技術はさらに改良され進歩すると思われます.この生体の関節動態を覗けるツールが超音波画像診断装置(以下エコー)です.現在のエコーによる画像は極めて高品質であり,運動器を扱うセラピストが観察したい組織はほぼ観ることができます.そして,関節を動かした際の各組織の動態を科学することこそ「運動器超音波機能解剖」です.
     関節拘縮治療に携わるセラピストに向けて本書を刊行するにあたり,最もこだわった点が超音波動態をどう読者に提供するかという点です.書籍としては,関節動態をいくつかの分割画像として見せる以外方法はなく,限界を感じていました.しかしながら,ここでWEBサイトを併用した書籍とすることで,関節動態をスマートフォンやタブレットで簡単に,しかも鮮明な動画として提供することが可能となりました.本文を読み,分割写真で各組織の位置や動きの特徴を抑えた上で動画を見ることで,格段に超音波機能解剖を理解することができるでしょう.そうすれば日々の臨床で行っている技術が,また一つ進化し,精度の高い技術へと変化していくことが期待されます.そして,関節拘縮を治す専門家であるセラピストにとっては,エコーで観察できる正常な動態を理解することこそ,症例における異常動態を判断する近道になるはずです.関節拘縮に苦しめられている患者さんを1日でも早く,少しでも効果的に治すために,エコー観察が当たり前となる日はそれほど遠くないと信じています.ぜひ有効に利用してください.

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