この1冊で全科のエコーのポイントがわかる!基本が身につく!
レジデント・臨床検査技師のための
はじめての超音波検査第2版
1冊でわかる全科のエコーのポイント
内容
序文
主要目次
2009年に本書が出版されてから10年の歳月が経過しましたが,幸いにもこの間,超音波検査に携わる多くの医師や技師の方々に愛読していただくことができました.しかし,この間の医学の進歩は日進月歩で,超音波医学の分野でもエラストグラフィの開発,高感度ドプラ検査の開発など日常臨床の場で有用な新技術が開発されてきました.本書ではこれらの技術の進歩や疾患概念の変革などに対応できるように,改訂を行う準備を進めてきました.今回の改訂においては,全身の超音波検査を対象とするため本書の基本的な項目は初版を踏襲し,必要に応じて各分野における新しい知見を盛り込みました.また一部の項目では新しい執筆者の先生方にも加わっていただき,新たな切り口で解説していただきました.
近い将来にはAI(人工知能)の医療現場への導入が推進されてくると思います.AIを有効に医療現場で活用するためにも,超音波検査に携わる医師や技師の方々が診断に耐えうる鮮明な画像を記録していく必要があります.ぜひ本書を参考に鮮明な画像を記録し,正確な検査を行うよう,心がけてください.
今回の改訂にあたって,ご多忙にもかかわらず本書の趣旨にご賛同され執筆していただきました先生方と,改訂版の刊行に向けて編集,校正のご尽力をいただいた文光堂出版編集部の佐藤真二氏らに厚く御礼申しあげます.
本書が初版と同様に超音波検査の入門書として超音波検査に携わる多くの医師や技師の方々のお役に立てれば幸いです.
2019年3月
杏林大学医学部第三内科
森 秀明
1 超音波の基本
Ⅰ 超音波検査の特徴
II 超音波診断装置の原理
III 代表的な超音波の物理特性
IV 超音波診断装置の検査モード
V ハーモニックイメージング
VI 超音波ビームのスキャン(走査)方式とプローブ
VII 分解能
VIII 超音波エラストグラフィ
2 超音波診断装置の調整
I モニタと外部出力機の調整
II Bモード画質の調整
3 アーチファクト
I 多重反射
II サイドローブ
III 鏡面現象
IV レンズ効果
V 音響陰影
VI 音響増強
VII 外側陰影
VIII カラードプラでのmotion artifact
IX カラードプラでのtwinkling artifact
4 ドプラ法
I ドプラの基礎
II カラードプラ法
III カラードプラの調整方法
IV パワードプラ法
V パワードプラの調整方法
VI パルスドプラ法
VII パルスドプラの調整方法
VIII 連続波ドプラ法
IX ワイドバンドドプラ法(Advanced Dynamic Flow:ADF)など
X SMI(Superb Microvascular Imaging)
5 造影超音波検査
I 経静脈性超音波造影剤ソナゾイドⓇの特徴
II 造影検査の前の準備
III ソナゾイドⓇを用いた造影超音波検査の観察のポイントと時相の定義
IV 造影超音波検査のコツとポイント
V 造影超音波の意義
VI 造影超音波検査の代表画像
II 消化器領域
A 肝臓
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査
3 びまん性肝疾患
(1)急性肝炎
(2)慢性肝炎
(3)肝硬変
(4)脂肪肝
(5)うっ血肝
4 肝血管病変
(1)門脈血栓症
(2)門脈瘤
(3)肝内門脈肝静脈短絡症
5 限局性肝疾患
(1)肝囊胞
(2)胆管性過誤腫
(3)限局性結節性過形成
(4)肝血管腫
(5)肝膿瘍
(6)肝細胞癌
(7)肝内胆管癌(胆管細胞癌)
(8)転移性肝腫瘍
B 胆道(胆囊・胆管)
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査
3 疾患各論
(1)胆囊結石症
(2)急性胆囊炎
(3)胆囊腺筋腫症
(4)胆囊ポリープ(コレステロールポリープ)
(5)胆囊癌
(6)胆管結石(肝内結石,総胆管結石)
(7)胆管癌
C 膵臓
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査
3 疾患各論
(1)急性膵炎
(2)慢性膵炎
(3)自己免疫性膵炎
(4)腫瘤形成性膵炎
(5)膵囊胞(単純性囊胞)
(6)膵漿液性囊胞腫瘍
(7)膵粘液性囊胞腫瘍
(8)膵管内乳頭粘液性腫瘍
(9)膵神経内分泌腫瘍
(10)膵管癌
D 脾臓
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査
3 疾患各論
(1)副脾
(2)脾腫
(3)脾動脈瘤
(4)脾静脈瘤
(5)脾梗塞
(6)脾囊胞
(7)脾リンパ管腫
(8)脾血管腫
(9)脾悪性リンパ腫
(10)転移性脾腫瘍
E 消化管
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査
3 疾患各論
(1)胃・十二指腸潰瘍
(2)進行胃癌,進行食道癌
(3)虚血性大腸炎
(4)潰瘍性大腸炎
(5)感染性大腸炎
(6)クローン病
(7)薬剤性大腸炎
(8)急性大腸憩室炎
(9)急性虫垂炎
(10)進行大腸癌
(11)小腸疾患
III 循環器領域
1 解剖,生理
2 基本知識と基本走査
I 基本知識
II 基本走査:記録
3 基本的評価法
I 血管内ボリューム
II 左室サイズ,左室収縮能
III 左室肥大
IV 右室サイズ,右室収縮能
V 右室肥大
VI 左房サイズ
VII 左室拡張能
VIII 肺高血圧
IX 心膜液貯留の有無
4 虚血性心疾患
(1)急性心筋梗塞
(2)陳旧性心筋梗塞
5 心筋症
(1)肥大型心筋症
(2)拡張型心筋症
(3)心アミロイドーシス
(4)高血圧性心疾患
(5)孤立性左室心筋緻密化障害
6 弁膜症
(1)大動脈弁狭窄
(2)大動脈弁閉鎖不全
(3)僧帽弁狭窄
(4)僧帽弁閉鎖不全
(5)三尖弁閉鎖不全
7 先天性心疾患
(1)心房中隔欠損
(2)心室中隔欠損
8 感染・炎症性心疾患
(1)感染性心内膜炎
(2)心膜炎,心サルコイドーシス
9 右心疾患
(1)肺塞栓
(2)肺高血圧
10 心膜疾患
(1)心タンポナーデ5
IV 腹部大動脈と下大静脈
A 腹部大動脈
1 大動脈の解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 疾患各論
(1)腹部大動脈瘤
(2)大動脈解離
B 下大静脈
1 解剖と超音波像
2 疾患各論
Budd-Chiari症候群,下大静脈血栓症,下大静脈腫瘍栓
V 泌尿器科領域
A 腎・腎盂・尿管
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 正常変異
4 馬蹄腎
5 重複腎盂
6 腫瘍性疾患
(1)腎細胞癌
(2)腎血管筋脂肪腫
(3)腎盂癌
(4)尿管癌
7 囊胞性疾患
(1)単純性腎囊胞
(2)傍腎盂囊胞,腎盂周囲囊胞
(3)多発性囊胞腎
8 腎尿管結石
9 腎膿瘍
10 水腎症
B 膀胱・前立腺
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 膀胱癌
4 膀胱結石
5 神経因性膀胱
6 前立腺肥大症
C 陰囊内容
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 精巣腫瘍
4 陰囊水腫,精索水腫
5 精巣炎,精巣上体炎
D 副腎
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 副腎皮質腺腫
4 褐色細胞腫
5 副腎癌,骨髄脂肪腫
6 転移性副腎腫瘍
VI 産婦人科領域
1 解剖
I 子宮
II 卵巣
III 卵管
2 正常超音波像と基本走査
I さまざまな走査法
II 基本走査
3 婦人科疾患各論
(1)子宮筋腫
(2)子宮腺筋症
(3)卵巣腫瘍(良性・悪性)
(4)成熟囊胞性奇形腫(類皮囊腫,皮様囊腫)
(5)子宮内膜症性囊胞
(6)胞状奇胎,子宮内膜ポリープ
(7)子宮内膜増殖症・子宮体癌,多囊胞性卵巣
4 妊娠時超音波
I 妊娠初期
II 妊娠中後期
VII 体表領域(甲状腺,副甲状腺,唾液腺,リンパ節)
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査と各臓器の正常超音波像
3 疾患各論
A 甲状腺,副甲状腺,甲状腺周辺疾患
(1)バセドウ病
(2)橋本病(慢性甲状腺炎)
(3)腺腫様甲状腺腫,腺腫様結節
(4)甲状腺乳頭癌
(5)甲状腺濾胞癌
(6)頸部食道癌
(7) 食道憩室(咽頭頸部食道境界部 Zenker憩室)
(8) 副甲状腺腺腫
B 唾液腺疾患
(1) 多形腺腫
(2) ワルチン腫瘍
(3) 腺様嚢胞癌
(4) 唾液腺導管癌
C リンパ節疾患
(1) 癌のリンパ節転移
(2) 悪性リンパ腫
VIII 体表領域(乳腺)
1 乳房解剖
2 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査
3 乳房造影超音波
I 乳房造影超音波の現状
II 造影超音波の方法
III 乳房造影超音波の画像所見
4 疾患各論
(1)浸潤性乳管癌(腺管形成型)
(2)浸潤性乳管癌(充実型)
(3)浸潤性乳管癌(硬性型)
(4)乳管内成分優位の浸潤性乳管癌
(5)非浸潤性乳管癌
(6)粘液癌
(7)線維腺腫,葉状腫瘍
(8)乳管内乳頭腫
IX 体表領域(頸動脈,末梢血管)
A 血管エコーの基本
I プローブの選択と装置の設定
II Bモード法
III カラードプラ法
IV パルスドプラ法
B 頸動脈
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 超音波所見の評価法
I Bモード像による計測
II ドプラ法による計測
4 疾患各論
(1)頸動脈スクリーニング
(2)内頸動脈狭窄
(3)頸動脈解離
(4)鎖骨下動脈盗血症候群
(5)高安動脈炎
C 下肢動脈
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 疾患各論
(1)慢性閉塞性動脈硬化症
(2)動脈瘤(仮性動脈瘤)
(3)動静脈瘻
D 下肢静脈
1 解剖
2 正常超音波像と基本走査
3 疾患各論
(1)深部静脈血栓症
(2)静脈瘤
X 小児科領域
1 小児の超音波検査時の注意点
2 疾患各論
(1)肥厚性幽門狭窄症
(2)中腸軸捻転
(3)重複腸管囊胞,腸管重複症
(4)腸重積
(5)急性虫垂炎
(6)便秘
(7)リンパ管奇形(囊胞性リンパ管腫)
(8)胆道閉鎖症
(9)先天性胆道拡張症
(10)腎尿路奇形
XI 救急医学領域
A FASTとE-FAST
1 総論
2 正常超音波と基本画像
I 正常超音波像
II 基本走査
3 疾患各論
(1)外傷性出血
(2)外傷性気胸
B 気道超音波検査
1 正常超音波像と基本走査
I 正常超音波像
II 基本走査
2 挿管確認
XII 整形外科領域
I 総論:運動器超音波の基礎
II 運動器構成体の超音波画像
XIII 皮膚科領域
1 解剖
2 検査の工夫
I 検査機器の工夫
II 検査方法の工夫
3 正常超音波像と観察のポイント
I 正常超音波像
II 観察のポイント
4 疾患各論
(1)表皮囊腫
(2)外毛根鞘囊腫
(3)脂肪腫
(4)血管脂肪腫
(5)石灰化上皮腫(毛母腫)
(6)神経鞘腫
(7)異物肉芽腫
(8)海綿状血管腫(静脈奇形)
(9)手掌足底線維腫症
(10)悪性黒色腫
(11)転移性腫瘤
索引