「本当に」使いやすい循環器領域のポケットマニュアル,できました!
循環器診療スマートブック
内容
序文
主要目次
日本専門医機構によるガバナンスのもと,2018年4月より新「専門医制度」がスタートする.将来,循環器専門医を目指す医師は,まず基本領域として内科を選択し,内科全般にわたる知識と技能を3年間の研修プログラムで習得した後,サブスペシャリティである循環器研修を行うことになる.その循環器研修において,必須とされるカリキュラムを効率よく習得すれば,循環器専門医への道が早く開ける.研修施設ごとに多少の差はあるが,通常の場合は3年間の循環器研修,内科研修とのオーバーラップを認める施設では最短2年で,循環器専門医の試験資格を得ることができる.
日々多忙な若い医師において,循環器診療における知識・技能を効率よく習得するには,それなりの手引き書(指南書)が必要となる.これまでにも,循環器領域の若手医師(主にレジデント)向けの指南書といえるべきマニュアル本が,各社から刊行されていた.しかし,それらの本が使い勝手がよかったかというと必ずしもそうではないように思う.本書は,循環器研修をする若い医師が,実地研修中において疑問に思ったことをすぐに調べることができ,かつ頭にスンナリ入るように徹底的に工夫した.例えば,「本文をすべて箇条書きにして読みやすくする」,「図で説明できる箇所は文章でなく図を用いる」,「検索性を高めるように構成する」,「書籍の大きさをポケット版にして持ち運びやすくする」,といった具合である.加えて,新「循環器専門医制度」で必須とされたカリキュラムの達成目標A・Bをすべて網羅した.そして,何と言っても近年出された日本循環器学会のガイドラインに準じたマニュアル本としたことである.
医学の世界では楽して成果を得ることは難しいが,どの世界にも王道がある.是非,本書を白衣のポケットのなかに収め,効率よく循環器研修を行い,自分自身が理想とする循環器専門医になっていただければ,編集者として本望である.
2018年2月
東邦大学教授
池田隆徳
巻頭カラー
略語一覧
I 緊急時の救急対応
1. トリアージ
2. 一次救命処置(BLS)
3. 二次救命処置(ALS)
II 循環器緊急手技
1. 動脈穿刺・血液ガス検査
2. 中心静脈穿刺
3. 心膜穿刺
4. スワン・ガンツカテーテル
5. 一時的ペースメーカ
6. IABP
7. PCPS
III 初診時の基本対応
1. 医療面接(問診)
2. 身体診察
IV 症状別 診断の進め方
1. ショック
2. 胸 痛
3. 動 悸
4. 呼吸困難
5. 浮 腫
6. 失 神
7. 頸静脈怒張
8. チアノーゼ
V 循環器検査法
1. 血液検査,尿検査
2. 心電図
3. 胸部X線
4. 心エコー
5. 運動負荷心電図
6. ホルター心電図
7. イベント心電図
8. 加算平均心電図
9. 24時間血圧計
10. ABI・CAVI
11. 眼底検査
12. 頸動脈エコー
13. 経食道心エコー
14. 四肢血管エコー
15. 心臓CT
16. 心臓MRI
17. 心臓核医学検査
18. 冠動脈造影
19. 左室造影
20. 大動脈・末梢動脈造影
21. 心臓電気生理検査
22. ヘッドアップチルト試験
VI 循環器薬物治療
1. 利尿薬
2. 強心薬・昇圧薬
3. Ca拮抗薬
4. β遮断薬・α遮断薬
5. ACE阻害薬・ARB
6. 硝酸薬
7. 抗血小板薬
8. 抗凝固薬・血栓溶解薬
9. 抗不整脈薬
10. 脂質異常症治療薬
11. 肺高血圧治療薬
VII 循環器観血的治療ほか
1. PCI(経皮的冠動脈インターベンション)
2. PTA(経皮的血管形成術)
3. 植込み型ペースメーカ
4. カテーテルアブレーション
5. ICD(植込み型除細動器)
6. CRT・CRT-D(心臓再同期療法・除細動機能付き心臓再同期療法)
7. TAVI/TAVR(経カテーテル的大動脈弁植込み術/経カテーテル的大動脈弁置換術)
8. VAD(補助人工心臓)
9. 心臓血管外科手術
10. 心臓リハビリテーション
VIII 主な疾患の治療・管理
1. 血圧異常
2. 心不全
3. 虚血性心疾患
4. 不整脈
5. 心筋疾患
6. 弁膜症
7. 心膜・心内膜疾患
8. 先天性心疾患
9. 動脈疾患
10. 静脈疾患
11. 肺高血圧症
索 引