眼科診療のスタンダードをビジュアルに解説!実践的シリーズの決定版!!
新篇眼科プラクティス 10
神経眼科はじめの一歩
内容
序文
主要目次
【シリーズ概要】
「日常臨床にすぐ役立つ」をコンセプトとした「眼科プラクティス」の最新シリーズ.今シリーズでは図版をより効果的に示すことで,さらにビジュアル面を大幅強化.直感的に理解できる「視る教科書」を目指した.
今から約30年前の1994年,安達恵美子先生編集の眼科診療プラクティス『やさしい神経眼科』が発刊されています.その後,プラクティスシリーズでは,丸尾敏夫・林 孝雄先生編集の『眼球運動とその異常』(1999年),根木昭先生編集の『これならわかる神経眼科』(2005年)が発刊されていますし,それ以外でも神経眼科の巨匠による著書が刊行されています.神経眼科は今もマイナーな分野かもしれませんが,皆が必要に感じている分野ではないかと思います.
2004年から2005年にかけて,NMO-IgGがAQP4抗体であることが確認され,視神経炎の疾患概念が大きく変わりました.AQP4抗体陽性視神経炎が視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)に属すること,視神経脊髄炎 (NMO) や多発性硬化症 (MS) とは明らかに異なる疾患としてのMOG関連疾患 (MOGAD) の確立など,新たな知見も得られています.しかし,プラクティスシリーズの神経眼科は15年以上改新されていませんでした.
そこで,新篇プラクティスシリーズでは『神経眼科はじめの一歩』として,視神経炎をはじめとする代表的な神経眼科疾患における新しい概念を取り入れ,さらに,これまで記載のなかった眼瞼痙攣や脳脊髄液漏出症,中枢性羞明など,神経眼科分野として眼科医が診療にあたるようになった新しい疾患分野についての項目も設けました.そのページを読めば,初学者でも疾患概念を理解しながら診療にあたれるような手引きにしたいと考えました.
執筆いただいた先生方は,その分野に造詣が深く,長年の経験から得られた知恵やコツなどを内容に盛り込んでいただき,さらに初学者が臨床ですぐに用いることができるようやさしい解説にしていただきました.
この新篇プラクティスシリーズ『神経眼科はじめの一歩』をきっかけに,神経眼科分野を専門分野にしようと考える若い医師が増えることを期待しています.
木村亜紀子
大鹿哲郎
2023年9月
神経眼科を始めよう
【解説】
Ⅰ.視神経疾患
1.総論
1)問診・視診
2)検査
2.各論
1)視神経炎の分類
[C]AQP4抗体陽性視神経炎の急性期治療と再発予防
[T]COVID–19と視神経炎
2)視神経症の分類
[T]内因性光感受性網膜神経節細胞
3)特発性頭蓋内圧亢進症
4)視神経腫瘍
[O]視神経疾患と鑑別が難しい網膜疾患
Ⅱ.瞳孔異常
1.総論
2.各論
1)Adie症候群(瞳孔緊張症)
2)Horner症候群
3)中脳背側病変
Ⅲ.視路疾患
1.総論
2.各論
1)視交叉病変
[O]頭蓋内疾患の視野
2)視索病変
3)外側膝状体病変
4)視放線以降の病変
Ⅳ.眼球運動障害
1.総論
1)中枢から末梢への指令
2)水平眼球運動と垂直眼球運動
3)眼位・眼球運動の診方
4)複視の診方・考え方
[A]複視に対するボツリヌス毒素療法
2.各論
1)外眼筋自体の疾患
2)神経筋接合部障害
3)末梢性眼球運動障害
[T]上斜筋(滑車神経)麻痺とsagging eye症候群の鑑別
[C]CDDsを知っていますか?
4)中枢性眼球運動障害
Ⅴ.眼窩疾患
1.総論
2.各論
1)甲状腺眼症
2)IgG4関連眼疾患
3)特発性眼窩炎症
4)眼窩悪性リンパ腫
5)眼窩蜂巣炎
6)眼窩静脈瘤
Ⅵ.眼瞼の異常
1.総論
2.各論
1)眼瞼痙攣
[O]羞明と眼痛
2)片側顔面痙攣
[A]眼瞼痙攣に対するボツリヌス毒素療法+α
3)異常連合運動
4)眼瞼下垂と眼瞼後退症
5)眼球使用困難症候群
[O]中枢性羞明
Ⅶ.外傷による神経眼科疾患
1.総論
2.各論
1)眼窩骨折
2)外傷性眼運動神経麻痺
3)外傷性視神経症
4)脳脊髄液漏出症
Ⅷ.全身疾患と神経眼科的症状
1.総論
2.各論
1)ミトコンドリア病
2)多発性硬化症
3)肥厚性硬膜炎
4)腫瘍随伴症候群
5)Wernike脳症
6)visual snow症候群
7)不思議の国のアリス症候群
索引
Controversy=[C]
Topics=[T]
One Point Advice=[O]
Advanced Techniques=[A]