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最適な薬物療法に最短距離でたどり着くために,とことん解説した一冊!

新刊

徹底解説!糖尿病治療薬 選び方・使い方第2版

患者に応じた処方のポイント

カバー写真
  • 編集:麻生好正(獨協医科大学主任教授)
  • 編集 薄井 勲(獨協医科大学教授)
  • B5判・264頁・2色刷
  • ISBN 978-4-8306-6201-0
  • 2025年2月4日発行
定価 5,500 円 (本体 5,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

好評を博した本書が4年ぶり待望の改訂.各治療薬の解説に加えて,薬物選択の際に考慮するべき様々な条件を挙げ,選ぶべき薬物について根拠を示して分かりやすく解説.さらに典型的な症例も提示し,処方に至る過程も実感できるようになっている.第2版では,薬剤や糖尿病薬物治療の最新状況を反映したのに加え,国内外の新しいガイドラインにも矛盾しないよう本文全体をアップデート.書籍冒頭には,各条件において選択するべき薬物が一目で分かる早見表つき.患者一人ひとりに合った最適な薬物選択のために,徹底解説した充実の一冊.
序 文

 本書「徹底解説! 糖尿病治療薬 選び方・使い方」は,2021年2月に初版を上梓させていただきました.初版では「各糖尿病治療薬の特徴を徹底的に解説し,個別化治療の完成を目指す」ことをコンセプトに,「選択するべき最適な薬物に最短距離でたどり着ける本」をつくりたいと考えました.そのために,薬物選択の際に考慮するべき様々な条件を既存の成書やガイドラインより多くあげ,各条件において選ぶべき薬物について根拠を示して分かりやすく解説したつもりです.様々な条件を典型的に持つ症例も多数提示し,処方に至る過程を実感できるように工夫しました.さらに,各条件において選択するべき薬物が一目で分かるような早見表を付録として添えました.本書の持つこのような特徴が,糖尿病診療に携わる多くの方にご評価いただいたことは大変ありがたく,この場を借りて感謝申し上げます.
 初版の上梓以降も,糖尿病の薬物治療には重要な変化や進歩がありました.まずは,GIP/GLP–1受容体作動薬や経口GLP–1受容体作動薬,グリミン系薬などの新薬が発売されたことで,薬物選択の幅がさらに広がりました.また,インスリンポンプ(持続皮下インスリン注入(CSII))や持続グルコース測定(CGM)の機能や利用法の改良が進み,最近インスリンのweekly製剤の使用が可能になったことなど,インスリン療法も大きな変化の時期を迎えたと言えます.さらには,これら新製品の発売やランダム化比較試験(RCT)による新たなエビデンスの発表などを受けて糖尿病治療薬に関する国内外のガイドラインが改訂され,なかでもSGLT2阻害薬とGLP–1受容体作動薬の位置付けが格段に高いものになりました.
 これら糖尿病の薬物治療に関する環境の変化を反映させるべく,このたび本書の改訂を行いました.第2版では,新薬や販売中止になった薬物などの情報を刷新したことに加え,国内外の新しいガイドラインの考え方にも矛盾しないように,本文全体の見直しを行いました.特に「Ⅳ章 症例から考える薬物療法」は,すべての症例を新たに書き直しました.また,災害時の糖尿病治療や糖尿病に合併する心不全など最近のトピックについても,新たに追記しました.さらには,早見表をさらに見やすく整理し,Ⅴ章 付録から巻頭に移動させることで,「様々な状況において選択するべき最適な薬物に最短距離でたどり着ける」という初版からの本書の特徴をより実感しやすくなったと思います.
 本書が糖尿病診療に関わるひとりでも多くの方の手に届き,糖尿病患者さん一人ひとりの特徴にあった「個別化治療の完成」に貢献できることを願っております.
 最後に,第2版の企画から完成まで大変なご尽力をいただいた,文光堂の藤木仁真子氏,佐藤真二氏に深く感謝申し上げます.

 2025年1月
 麻生好正,薄井 勲
 病態別薬剤選択早見表

Ⅰ章 糖尿病薬物療法の基本
 1 糖尿病の病態
 2 糖尿病の診断,分類,検査
 3 糖尿病の治療戦略
 [COLUMN]Standards of Care in Diabetes

Ⅱ章 各種糖尿病治療薬の基本知識
 1 ビグアナイド薬
 2 チアゾリジン薬
 3 DPP–4阻害薬
 4 スルホニル尿素(SU)薬, 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
 5 SGLT2阻害薬
 6 イメグリミン塩酸塩
 7 α–グルコシダーゼ阻害薬
 8 経口GLP–1受容体作動薬(経口セマグルチド)
 9 配合薬,配合注射薬
 10 GLP–1受容体作動薬およびGIP/GLP–1受容体作動薬(注射製剤)
 [COLUMN]GLP–1/グルカゴン受容体デュアルアゴニスト,GIP/GLP–1/グルカゴン受容体トリプルアゴニスト
 11 インスリン
 [COLUMN]インスリン イコデク 

Ⅲ章 病態・状況別の薬物療法
 1 肥満,インスリン抵抗性を伴う2型糖尿病
 2 やせ,インスリン分泌不全を伴う2型糖尿病
 3 妊娠糖尿病,糖尿病合併妊娠
 4 小児糖尿病―2型糖尿病を中心に
 5 高齢者糖尿病
 6 CKD・腎機能障害合併糖尿病
 7 心疾患合併糖尿病
 8 肝機能障害合併糖尿病
 9 ステロイド治療中の糖尿病
 10 1型糖尿病への経口糖尿病治療薬の選択
 11 1型糖尿病へのインスリン治療
 12 2型糖尿病へのインスリン治療─経口糖尿病治療薬とインスリン注射との併用─
 13 薬剤費や錠数を軽減したい場合
 14 周術期・絶食検査時の薬剤中止と再開
 15 シックデイ時の薬剤調整
 [COLUMN]災害時の糖尿病治療薬の考え方

Ⅳ章 症例から考える薬物療法
 1 健診で初めて糖尿病を指摘された症例
 2 初診時より微量アルブミン尿を認めた症例
 3 長年放置された糖尿病症例
 4 シフトワーカー 服薬アドヒアランス不良の症例
 5 高齢者でサルコペニアと認知症を合併した症例
 6 糖尿病性腎症を合併する症例
 7 周術期に経口薬中断,インスリン管理,経口薬再開した症例
 8 高度肥満の合併症例
 9 心不全の合併症例

Ⅴ章 付録
 糖尿病治療薬一覧表

索引