PT・OTが画像の評価能力を短期間で効率的に修得できる1冊!
PT・OTのための画像評価学テキスト
内容
序文
主要目次
日本の高齢者人口の割合は,2007年に21%を超えて超高齢社会を迎えましたが,2021年には29.1%になり,2060 年には39.9%とさらに上昇していくことが予想されています.このように高齢化がより一層進んでいく中で,社会からリハビリテーションへの期待と要望はますます高まっています.
一方,フィルムレスによる画像診断が普及したことで,医師だけでなく,メディカルスタッフが,現在の画像に加えて過去の画像も電子カルテ端末から容易に参照できるようになりました.リハビリテーションへのさまざまな要望と画像診断技術の進歩を踏まえて,理学療法ならびに作業療法養成課程において,2020年度の入学者より画像評価に関する単位が新たに設けられ,コアカリキュラムの中でリハビリテーションに関わる画像の評価能力の修得が必須となりました.
そこで,理学療法学ならびに作業療法学を専攻中の学生,ならびにすでに臨床現場で働いている療法士が,求められる画像の評価能力を短期間に効率的に修得できることを目的として本書は企画されました.
画像の評価能力の学習に際しては,基本的な画像の読み方を理解したうえで,疾患画像の特徴を把握することが大切ですが,そのためには,解剖学的イラストレーションと合わせて,疾患の特徴をよく反映したわかりやすい画像を数多く見ることが必要です.
本書は,各分野のスペシャリストが厳選した正常画像と疾患画像を対比しながら読影することで,読影時のポイントがぱっと脳裏に浮かぶようにビジュアルを中心に学習できるように構成されています.さらに,スペシャリストによる画像読影のコツやピットホールに関する解説や,学習の到達度を評価できるチャレンジ問題など,読み物としても興味を持ちやすい内容とすることで,画像の評価を主体的にマスターして,日々のリハビリテーション業務に取り入れられるようになることが本書を読むことの最大のベネフィットです.
デジタル化が進んだ今日であっても,効率的な学習にあたっては,読みやすい書籍の利点はきわめて大きいです.特に,これだけ多くの画像を療法士向けに系統的に掲載した画像評価のテキストはほとんどなく,本書が画像評価のミニマムスタンダードテキストとして,療法士の養成校ならびに多様なリハビリテーションの現場で活用されることを切に願っています.
最後に本書の発刊にご尽力いただいた,編集者の高橋哲也先生,松田雅弘先生,手塚純一先生,ならびに分担執筆者の先生方,そして,文光堂編集企画部の皆様に深謝申し上げます.
2022年5月
三浦靖史
Chapter-1 基本画像診断・評価学
Part 2 ▶︎ 運動器疾患の画像
Chapter-1 骨・関節X線の基本と画像解剖・評価
Chapter-2 骨・関節CT・MRIの基本と画像解剖・評価
Chapter-3 外傷の画像評価
Chapter-4 関節疾患の画像評価
Chapter-5 脊椎・脊髄疾患の画像評価
Chapter-6 運動器エコーの基本と画像解剖・評価
Part 3 ▶︎ 神経疾患の画像
Chapter-1 脳画像の基本と画像解剖・評価
Chapter-2 脳血管疾患の画像評価1:出血
Chapter-3 脳血管疾患の画像評価2:梗塞
Chapter-4 脳血管疾患の画像評価3:その他
Part 4 ▶︎ 内部疾患の画像
Chapter-1 胸部X線の基本と画像解剖・評価
Chapter-2 胸部のCTの基本と画像解剖・評価
Chapter-3 心血管のCT・MRIの基本と画像解剖・評価
Chapter-4 心エコー・腹部エコーの基本と画像解剖・評価
索引