”一歩進んだ”腹部エコーの使い方を身につける!
一歩進んだ 腹部エコーの使い方(電子版のみ)
エコーが役立つとき・役立たないとき
内容
序文
主要目次
いまや腹部エコーは消化器内科や臨床検査・放射線技師ばかりでなく救急医療・総合診療の場でも活躍する,様々な科の医師にとって必須の技術であります.
一方で腹部エコーは万能ではありません.その原理上,どうしても生じる「エコーの死角」を意識してその限界を見極めつつ,臨床症状や他の検査と組み合わせながら診断を下してゆかねばならない極めて再現性に乏しい検査・診断です.
そこで本書は,教科書的に疾患とその典型例を網羅して目次を立ててゆくのではなく,臨床に出たばかりの皆さんが悩むであろう「どういうときにエコーは役立つのか?」そして「どういうときに役に立たないのか?」という観点から全体を構成しました.
「I章 腹部エコーが役に立つ疾患/ 役に立たない疾患」ではエコー検査には必ず死角があることを認識し,臨床診断の精度をあげるためのアプローチと考え方について,実際の症例を紹介しながら伝授します.「II章 意外と知らない腹部エコーの知識」では主に解剖学的な見地から知っておくとスキルアップできる検査の仕方を解説しています.「III章 うっかり陥る腹部エコーの落とし穴」では検査時のピットフォールを,「IV章 こんな時,腹部エコーは役立つ!/ 役立たない?」では腹部領域の代表的な疾患の見方と,腹部エコーだけでは診断の決め手に欠けるとき,次の一手をどう考えるか?ということにポイントを置いて解説しています.
現場の臨床医のニーズに答えた内容であり,臨床で必ず役に立つものと自負しております.
執筆者はいずれも臨床の第一線で活躍される先生ばかりです.そんなエキスパートの先生方が惜しげもなく,日々の診療の中で培われた知見やエコー活用のテクニックを披露してくれました.読めば腹部エコー検査が愉しく,上達すること間違いなしと思います.
ぜひ本書を片手に,腹部エコーの奥深い世界に漕ぎ出して下さい.
平成28年2月吉日
編者を代表して
辻本文雄 聖マリアンナ医科大学臨床検査医学 教授
II 意外と知らない腹部エコーの知識
1.肝臓の超音波解剖を理解していますか?
2.胆囊の超音波解剖を理解していますか?
3.膵の盲点領域をなくそう!
4.脾腫の判定:spleen indexだけで十分ですか?
5.腎臓の超音波解剖を理解していますか(腎洞・皮質・髄質)?
ミニレクチャー 副腎は診ますか?
ミニレクチャー 結石
ミニレクチャー 臓器の腫大・萎縮をエコーからどう評価するか
III うっかり陥る腹部エコーの落とし穴
1.肝内の高エコー腫瘤を血管腫と安易に診断していいでしょうか?
2.肝実質高エコーは必ずしも脂肪浸潤ではない
ミニレクチャー 脂肪の見え方
3.ポリープ? いいえ,胆石です
4.腎細胞癌を見落としていませんか?
5.胃癌:スクリーニングでも胃は診ましょう
6.腹部疾患と思いきや
7.痛いところに病気はありませんか?!
8.血管も診ましょう!
ミニレクチャー カラードプラが診断に役立つ症例
IV こんな時,腹部エコーは役立つ!/ 役立たない?
1.黄疸
2.脂肪肝・NASH
3.急性肝障害
4.慢性肝障害(慢性肝炎・肝硬変)
5.急性胆囊炎
6.膵腫瘤
ミニレクチャー 膵IPMN
7.腎炎症性疾患
8.鼠径ヘルニアの超音波検査
9.イレウス
10.消化管炎症性疾患
11.若い女性の腹痛
12.小児の疾患
13.腹部外傷
ミニレクチャー 血腫の見え方
Further Reading
索 引
付録