編集:齋藤陽子(弘前大学教授) 編集 市川勝弘(金沢大学教授) B5判・320頁・2色刷ISBN 978-4-8306-4230-22013年4月9日発行 定価 8,250 円 (本体 7,500円 + 税10%) 僅少 在庫
内容序文主要目次第一線で活躍する診療放射線技師を対象に,いかに「考え」ながら,診断に寄与する病態に迫るCT画像を撮像するかをまとめた1冊.好評書「考えるMRI撮像技術」の姉妹版.第1部「基礎編」では,CT撮像のスキルアップに不可欠な撮像・再構成の技術的ポイントを分かりやすく解説.第2部「臨床編」は,第一線で活躍中の診療放射線技師と画像診断医による共同執筆方式でまとめ上げられた実践撮像法の集大成ともいうべき内容.撮像技術的なポイントはもとより,診断に寄与しうる画像をいかに得るか,そのために必要な知識とスキルをふんだんに盛り込んだ.各臨床画像には,病変部分に対して矢印や図説を十分に添え,撮像の目的となる所見がいかなるものであるかが即理解できるよう工夫されている.これから読影を学びたいと思う研修医や若手医師にも役立ち,またCTを専門にさならるキャリアアップを目指す診療放射線技師にも打ってつけの1冊.☆図版70点,表組40点,カラー写真,46点,モノクロ写真261点序 文 近年のCT装置の進歩はめざましく,多列検出器装置の普及により広範囲の高分解能画像が短時間で得られるようになった.これは診療上大変好ましいことではあるが,一方で検査適応や撮像範囲の拡大をもたらしているともいえよう.東日本大震災に引き続き発生した福島第一原発事故により被ばくに関する関心がかつてない高まりをみせている今日,被ばく低減に努めながらCT検査の適応や目的に合わせた最適な検査を実施することはわれわれの大切な使命であると思われる.また,チーム医療の質を向上させるためにも,すべてのスタッフが診療の目的を理解し共有することが第一歩でないかと考えている.各医療スタッフはそれぞれの専門性を発揮して診療に従事しなければならないが,そのためには診療の全体像とその中の自分の役割を把握しておく必要があると思われる.つまり,他職種の業務内容もある程度理解しておかなければ,真の意味でのチーム医療がなされないのではないかと考えている.本書は先に出版された『考えるMRI撮像技術』のCT版として編集された.撮像技術と読影の橋渡しをする内容に富み,CT撮像におけるチーム医療推進のために必要な情報が満載されていると言っても過言ではないと思っている. 第1部「基礎編」ではCT撮像におけるスキルアップの基礎となる,一歩進んだ撮像・再構成などの技術的ポイントをわかりやすく解説していただいた.第2部「臨床編」は,第一線で活躍中の診療放射線技師と画像診断医による共同執筆方式でまとめ上げられており,本書のコンセプトの集大成ともいえよう.本章には,単なる撮像技術的なポイントのみではなく,いかに目的をもって診断に寄与する画像を得るかという観点から必要な知識やスキルが盛り込まれている. 撮像の対象疾患の画像所見がどのようなものであるかが即座に理解できるように,各臨床画像の病変部に対し矢印や解説を添えていただいた.このような特色をもつ本書は,これから読影を学びたいと考えている研修医や若手医師にも十分に役立ち,またCTを専門としてキャリアアップを目指す診療放射線技師にも適した内容である.本書が診療技術の向上に寄与し,結果的にCT検査を受けた方々が恩恵を得られれば編集者として幸甚である. なお,CTでは「撮像」と「撮影」の両者が使用されている実情があるが,本書では「撮像」を採用した.これは技術領域の共同編者である市川勝弘氏のご助言によるもので,CTでは影を見ているのではなく,画像処理も行われるという実情に合わせたものである.ご賛同いただきたい.平成25年4月齋藤陽子第1部 基礎編1.CTの基礎 1 装置の基本構成 2 投影と画像再構成 3 X 線減弱係数とCT値 4 横断画像2. CT画像 1 CT画像表示 2 再構成フィルタ関数 3 アーチファクト 4 画質評価3. マルチスライスCT 1 検出器,データ収集システム(DAS) 2 ヘリカルスキャン 3 三次元画像 4 心臓CT4. 造影テクニック 1 TDCから考える造影効果の安定化と造影剤の使い方 2 技術的要因 3 ヨード造影剤による身体的影響5. CT検査の被ばく 1 被ばく量 2 被ばく低減テクニック6. 新しいCT撮像法 1 dual energy 2 逐次近似法第2部 臨床編1. 頭部(脳)のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考えるCT撮像2. 頭頸部のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考える頭頸部CT撮像3. 胸部のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考える胸部CT撮像4. 肝・胆・膵のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考えるCT撮像5. 消化管・骨盤・腎・尿路系のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考える,消化管・骨盤・腎・尿路系CT撮像6. 脈管系のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考えるCT撮像7. 脊椎・脊髄のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考えるCT撮像8. 四肢・関節のCT撮像 1 撮像法 2 疾患・病期・病態から考えるCT撮像9. 救急CT撮像 1 技術からみた救急CT撮像 2 臨床からみた救急CT撮像索 引