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腫瘍性皮膚疾患の組織パターンによる診断過程を示した実践書!

皮膚病理のすべてⅢ 腫瘍性皮膚疾患

カバー写真
  • 編集:真鍋俊明(京都大学名誉教授)
  • 編集 安齋眞一(日本医科大学医学部皮膚科学教授)
  • 編集 宮地良樹(京都大学名誉教授)
  • B5判・288頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-3473-4
  • 2020年10月20日発行
定価 12,100 円 (本体 11,000円 + 税10%)
あり
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内容

序文

主要目次

「パターン分類」を駆使して皮膚病理組織を読み解く〈皮膚病理のすべて〉シリーズ第3巻.本書では腫瘍性皮膚疾患にフォーカスをあて,第1巻で解説した「パターン分類」の理論を,実症例をもとに紙上で実演する.たった1枚の組織切片を材料に,エキスパートの頭の中で展開される思考プロセス──病理像の着眼点,パターン分類の適用,鑑別診断,臨床との相関,そして最終診断──その一部始終を豊富な大判写真でヴィジュアルに解説.皮膚病理が苦手な読者でも,分析の流れを自然と理解できる革新的一冊.
序 文

 本書は「皮膚病理のすべて」シリーズの3巻目です.第Ⅰ巻は基礎知識とパターン分類として総論的に,第Ⅱ巻と本巻はそれぞれ炎症性皮膚疾患と腫瘍性皮膚疾患について,各論的に症例を読み解く形でまとめてあります.後2巻では,「一例から多くを学ぶ」方式を採っているのが特徴です.提示された一例を通して,診断へのアプローチの仕方のみならず,多数の鑑別疾患と鑑別点を実例を使って比較吟味し,さらに臨床像とどう向き合っていくかなど多岐にわたって書かれています.これらはすべて実際の診断時に使用される思考過程です.この方式を提示下さった編集の宮地良樹先生,安齋眞一先生の卓見に感謝致すとともに,たくさんの症例をご準備頂いた執筆者の先生方に御礼申し上げる次第です.
 病理医の私が皮膚病理に興味を持ち,パターン分類を考えるようになるにはいろいろな方々からの教えがありました.卒後直ぐのアメリカでの内科,外科,救急での臨床経験で嫌というほど,症状や徴候の捉え方,鑑別疾患と鑑別の仕方を教わりました.その後の病理研修でも恩師の先生方から特徴的な組織像の捉え方,鑑別疾患,鑑別点について学びました.ただ,それらは体系化されたものではありませんでした.ちょうど模索し体系化を始めた時期に帰国しました.1983年末,日本皮膚科学会西部支部学術大会で来られたA. B. Ackerman先生と3日間朝から晩まで一緒に顕微鏡をみる機会が得られ,大きな影響を受けました.Ackerman先生からパターン分類を我が国で広めるように言われ,拙著『外科病理学入門』(医学書院,1986)にも先生の炎症性皮膚疾患のパターン分類を載せさせて頂きました.その後準備中であった肺の炎症性および腫瘍性疾患のパターン分類をまとめた後,本書の前身である拙著『皮膚病理診断アトラス』(文光堂,1993)を上梓しました.この間,そしてその後にかけてAckerman先生の我が国のお弟子さん方(バーニーズバッド)と知り合いになり,また長い間日本皮膚科学会や日本皮膚病理組織学会で皮膚科の先生方からもご教授を受けました.皆様方への感謝の念に堪えません.本シリーズの執筆にはバーニーズバッドの初代の方々,そのお弟子,孫弟子の先生方にもお世話になっています.
本書は「皮膚病理のすべて」と題していますが,決してすべてではありません.疾患の理解はどんどん深まっていますし,新しい疾患概念や治療法,新しい診断技術が現れています.Ackerman先生と症例を検討していた時,あまりご存知でなかった疾患が提示され議論となったことがありました.会の終了後,先生が来られ“Still lots to learn”と言われたのを鮮明に覚え,それを座右の銘としています.まだまだ学ぶこと,明らかにしていくことは積み残されています.読者の方々には本シリーズを基礎として,さらに皮膚病理学,皮膚病理診断学を学び,発展させていって頂きたいと願っています.
 最後になりましたが,本シリーズをご提案頂いた京都大学名誉教授宮地良樹先生,株式会社文光堂社長浅井麻紀氏,そして難しい取り纏めを行い美しい装丁に仕上げて下さった編集企画部の皆様に深謝申し上げます.

2020年9月
編者を代表して
真鍋俊明
京都大学名誉教授
第Ⅰ章 パターンから迫る病理組織診断
 はじめに

第Ⅱ章 症例解析──病理診断へのアプローチ
 1.表皮内腫瘍
[症例1]Intraepidermal Flat Tumors, Pagetoid(Scattering)
[症例2]Exophytic Verrucous Tumors, Papillated(Papillomatous with Endophytic Growth)
[症例3]Exophytic Non-Verrucous Tumors, Smooth Polypoid(Fibroepithelial)
[症例4]Exophytic-Endophytic Tumors, Smooth-Surfaced
[症例5]Endophytic Tumors, Nodular and Lobular
[症例6]Endophytic Tumors, Cup-Shaped

第Ⅲ章 症例解析──病理診断へのアプローチ
 2.真皮内・皮下脂肪織内・爪の腫瘍
[症例7]Organoid, Non-Cystic;Tubular and glandular tumors
[症例8]Organoid, Non-Cystic;Solid(nodular, lobular and trabecular)tumors
[症例9]Organoid, Non-Cystic;Biphasic and polyphasic tumors(epithelial and stromal)
[症例10]Organoid, Cystic;Cystic tumors
[症例11]Histoid, Solid(Cellular);Small round cell tumors
[症例12]Histoid, Solid(Cellular);Spindle cell tumors
[症例13]Histioid, Solid(Cellular);Polyhedral(polygonal)cell tumors(histiocytoid cell tumors)
[症例14]Histoid, Solid(Cellular);Pleomorphic cell tumors(Pleomorphic tumors with multinucleated giant cells)
[症例15]Histoid, Fibrous;Fibrous Tumors
[症例16]Histoid, Fatty;Fat Cell Tumors
[症例17]Histoid, Myxoid;Myxoid Tumors
[症例18]Histoid, Fibro-Osseous;Fibro-Osseous Tumors
[症例19]Histoid, with Giant Cells;Giant Cell Tumors
[症例20]Histoid, Vascular;Hemangiomatous tumors and tumor-like lesions
[症例21]Ungual/Subungual tumors, Pagetoid(Scattering)

付 録 参考資料
 付録1 腫瘍性皮膚疾患におけるパターン分類
 付録2 参考・推薦図書

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