眼科診療のスタンダードをビジュアルに解説!実践的シリーズの決定版!!
新篇眼科プラクティス 2
細隙灯顕微鏡の徹底活用
キミはどこまで見えているか
内容
序文
主要目次
【シリーズ概要】
「日常臨床にすぐ役立つ」をコンセプトとした「眼科プラクティス」の最新シリーズ.今シリーズでは図版をより効果的に示すことで,さらにビジュアル面を大幅強化.直感的に理解できる「視る教科書」を目指した.
眼科医が日常的に最も使う道具は細隙灯顕微鏡だと思います.いつも使うので見慣れてしまっていますが,よく見ると単純そうで複雑な構造をしており,その中に先人の培ったさまざまな技術が組み込まれています.新篇眼科プラクティスの趣旨は「視る教科書」です.取り上げる初期テーマとして細隙灯顕微鏡はふさわしいと思い,このテーマを扱わせていただくことになりました.
細隙灯顕微鏡の用途は広く,さまざまなアタッチメントを併用しながら,診察に工夫を凝らすことでさまざまな生体情報を目視することが可能です.そして細隙灯顕微鏡にはさまざまな関連機器が接続されており,診療に不可欠なエレメントになっています.細隙灯顕微鏡はいくつかの機種があり,特徴をわかって使いこなすことが必要です.また,以前はよく見えなかった手持ち顕微鏡も性能が上がり,スマートフォンなどと連携することで,臨床での使いこなしの幅が広がっています.クリニックの専門性や,教育機関であればそれなりのバリエーションを準備するなど,機種の特徴に合わせて,欲しい機種を選定することになります.
疾患ごとに細隙灯顕微鏡を使いこなすコツがあります.限られた日常診療の時間で,より効果的に大事な所見を見逃さないために,達人たちはどこをみているのでしょうか? 本書は,そんな達人の「視るべきポイント」に焦点を当てて書いていただくようにしました.さらにもう1つ,お願いしたことがあります.それは典型写真とともにイラストを多く示して,写真の中にあるポイントをよりわかりやすく提示していただくことです.文章はできるだけ少なくして,本シリーズ全体に流れる「視る教科書」として,細隙灯顕微鏡診療の手引き書としても活用できることを目指したいと思います.
本書が,若手からベテランまで,多くの先生にとって良き診療のお供になれば幸せです.
2022年4月
園田康平
細隙灯顕微鏡:温故知新
【解説】
Ⅰ.細隙灯顕微鏡の基本
1.細隙灯顕微鏡の基本構造
2.細隙灯顕微鏡の観察法
3.細隙灯顕微鏡のモデル特性
1)Haag-Streit社(Goldmann型)
2)Carl Zeiss社,Luneau社
3)その他
[O]スリット写真をきれいに撮るコツ
[O]手持ち細隙灯とスマートフォン
[T]アタッチメント付きスマートフォンによる前眼部撮影
[T]スマートフォンのマクロ撮影による前眼部観察
[T]細隙灯所見とAI診断
Ⅱ.外眼部疾患
1.眼瞼の診かた
2.眼瞼縁の診かた
3.涙器の診かた
[A]マイボグラフィーと細隙灯顕微鏡
Ⅲ.眼表面疾患
1.結膜の診かた:結膜炎
2.結膜の診かた:結膜炎以外
3.角膜の診かた:感染症
4.角膜の診かた:変性症
5.角膜の診かた:ぶどう膜炎
6.涙液層,ドライアイの診かた
7.強膜・上強膜の診かた
8.角膜形状変化,内皮障害の診かた
[O]コンタクトレンズフィッティング
[O]コンタクトレンズ合併症の診かた
[A]疾患ごとの最適な染色法とフィルター
[A]房水静脈の診かた
Ⅳ.前房・虹彩・隅角
1.前房の診かた
2.虹彩の診かた
3.隅角の診かた
[O]線維柱帯の所見バリエーション
[A]ブレブの観察法
[T]レーザー反射光の前房観察への応用
Ⅴ.水晶体・前部硝子体
1.水晶体の診かた
2.後発白内障,眼内レンズ位置異常の診かた
3.前部硝子体の診かた
[O]水晶体と全身疾患
[O]小児の水晶体観察
Ⅵ.後眼部
1.硝子体の診かた
2.黄斑部の診かた
3.周辺網膜の診かた
4.炎症所見の取り方
5.視神経の診かた
[A]細隙灯による小児の後眼部診察
[O]おすすめの後眼部診察用レンズ
索引
Topics=[T]
One Point Advice=[O]
Advanced Techniques=[A]