麻酔・周術期管理の様々なリスクに一冊で対処できる!手術室や周術期外来でこの一冊が即戦力となる!現場を熟知し,実践してきたエキスパートが最新情報を解説!!
麻酔科プラクティス 5
麻酔科必携 周術期のリスク管理
安全対策・感染予防・合併症管理
内容
序文
主要目次
【シリーズの特徴】
現在の麻酔科臨床で特に注目の集まるトピックスや新たな課題を厳選し,フルカラーの誌面でビジュアルに整理・解説.若手からベテラン麻酔科医までを対象とし,臨床で役立つ最新かつ最良の意義深いテーマを提供する.
今回,新シリーズ「麻酔科プラクティス」の第5巻として「麻酔科必携周術期のリスク管理─安全対策・感染予防・合併症管理─」を企画いたしました.
以前のシリーズ「麻酔科診療プラクティス」において,2002年に「周術期の危機管理」,2004年に「感染予防と安全対策」が刊行され,麻酔・周術期管理における安全性向上に寄与してきました.その後20年近く経過し,麻酔科医を取り巻く状況は大きく変化しました.新たな医療機器,モニタリングおよび薬剤の開発および種々のガイドライン導入により,麻酔・周術期管理の質は格段に向上しました.一方,より高度化,複雑化した医療に,麻酔科医が単独で対応することは難しくなり,看護師,薬剤師,臨床工学技士などとの多職種協働も進んでいます.そのため,技術的な要因だけでなく,コミュニケーションなど非技術的(ノンテクニカルスキル)な要因による有害事象も増加しています.日本専門医機構による専門医認定・更新では,安全,感染および倫理の研修が必須となり,臨床医に求められる知識と技能は専門分野外にも拡大しています.
本書は,前シリーズを合冊・改訂するのではなく,新たな企画に基づき,安全,感染および合併症に関する臨床現場で必要かつ有用な内容をコンパクトにまとめ,さらに最新の知見もできるだけ取り入れるようにいたしました.各項目は,現場を熟知し,実践されているエキスパートの皆様にお願いしております.手術室や周術期外来などで活用いただくことで,即戦力になると確信しております.
2021年5月
和歌山県立医科大学 水本一弘
1 麻酔前診察と説明・同意取得
[B]周術期口腔ケア
2 常用薬の周術期管理
[T]ペイシェントフローマネジメントと周術期管理チーム
3 抗血栓療法と処置・カテーテル管理
4 薬剤誤投与防止対策(誤接続防止コネクター)
5 手術室と電気設備
[K&P]手術室内の騒音とBGM
6 災害に対する備え1:火災
7 災害に対する備え2:地震
[OPA]KYT(危険予知トレーニング)とKYK(危険予知活動/行動)
8 X線装置の適正使用
9 周術期患者の体温管理
10 チェックリストの活用
[T]TeamSTEPPSⓇ
11 気道確保の方策(導入編)
12 気道管理の方策(抜管編)
13 手術室での心停止とその対応
14 異物体内遺残防止
15 アクシデント発生時の対応
[T]周術期医療チームに必要な心理的安全性
16 臨床工学技士の役割
17 サテライトファーマシー
18 チーム医療とノンテクニカルスキル
[T]レジリエンス・エンジニアリング
Ⅱ 周術期の感染予防
1 消毒と滅菌
2 周術期の抗菌薬使用法
[K&P]術中管理と術後感染
3 針刺し事故の予防
4 カテーテル関連感染の予防
5 飛沫感染・空気感染の予防
6 輸血関連感染症と自己血輸血
7 スタンダードプリコーションとマキシマルプリコーション
Ⅲ 周術期の合併症管理
1 循環器系
1)心筋虚血・急性冠症候群
2)アナフィラキシーショック
[B]エピネット
3)危険な不整脈
2 呼吸器系
1)肺血栓塞栓症
2)周術期誤嚥性肺炎
3)気胸
4)気管支喘息
[OPA]喉頭痙攣とlaryngospasm notch
3 神経・筋系
1)神経障害(中枢)
2)神経障害(末梢)
3)悪性高熱症
4)覚醒遅延の鑑別
5)局所麻酔薬中毒
6)術後せん妄
7)術中覚醒
[T]SedasysⓇとロボット麻酔
8)麻酔と認知機能
9)周術期の皮膚障害
4 体液・代謝系
1)危機的出血
2)PONV
3)乏尿
索 引
[T]=Topics
[B]=Basic
[K&P]=Knack & Pitfalls
[OPA]=One Point Advice