眼科診療のスタンダードをビジュアルに解説!実践的シリーズの決定版!!
新篇眼科プラクティス 1
スッキリわかる緑内障の検査と診断
内容
序文
主要目次
【シリーズ概要】
「日常臨床にすぐ役立つ」をコンセプトとした「眼科プラクティス」の最新シリーズ.今シリーズでは図版をより効果的に示すことで,さらにビジュアル面を大幅強化.直感的に理解できる「視る教科書」を目指した.
緑内障患者を診察しない日はありますでしょうか?
40歳以上の緑内障の有病率は,5%に達することが疫学調査で明らかになっていますが,年齢が上がるほどさらに高くなり,70歳以上の高齢者では,なんと10人に1人以上が緑内障に罹患しています.超高齢化社会のわが国において,緑内障患者を診察する機会は多く,眼科医として1 日中外来診療を行って,緑内障患者を診察しない日はないと思います.
緑内障の診療は,眼科クリニックの日常診療の大きなウエイトを占めており,これからさらに少子高齢化が進んでいけば,ますます重要な診療分野になるでしょう.それに伴い,新しい検査機器も次々登場してきているため,知識をアップデートしていく必要があります.
そこで,本書は「スッキリわかる緑内障の検査と診断」と題して,避けては通れない緑内障の診療について,ご専門にされておられない先生方が知りたい項目について2~4ページをざっと見通して理解できるレベル,かつ,後期研修医の先生が緑内障について一から学んで診療に臨むことができるレベルの内容を想定して,エキスパートの先生方にご執筆をいただきました.
これまでの緑内障診療に関する本では,治療や手術にもかなりの分量を割いて解説されている本が多かったのですが,眼科医のうち,緑内障の手術まで執刀されておられる先生はごく一部です.むしろ,多くの先生方にとっては,緑内障の診断や検査の見方への関心が高く,ご質問をいただくケースが多いのです.そのため,今回は,診断や検査機器を中心にわかりやすく記載した書籍を目指しました.さらに,上記の,緑内障診療を外来で実践するために必要な知識に加え,深掘りして知りたい最新の緑内障の知識もまとめています.
本書が,プラクティスシリーズの1冊として書斎に並べられるだけでなく,「虎の巻」として,外来の診察室や休憩室にこっそり備えておく1冊になれば幸いです.
2022年4月
稲谷 大
もしも私が緑内障外来を始めたら
[T]本書を読むにあたって,頭に入れておきたい緑内障診療ガイドライン第5版のポイント
【解説】
Ⅰ.緑内障の病型と診断の進め方
1.緑内障の診断基準
2.原発開放隅角緑内障
[T]前視野緑内障
[T]近視と緑内障
3.原発閉塞隅角緑内障
4.落屑緑内障
5.ぶどう膜炎に伴う緑内障
6.血管新生緑内障
7.小児緑内障
8.悪性緑内障
9.緑内障の発症と進行のリスク因子
[O]緑内障疫学調査
[O]ステロイド緑内障
[A]開放隅角緑内障と遺伝
Ⅱ.眼圧検査
1.眼圧上昇のメカニズム
2.目標眼圧の設定
3.眼圧負荷試験
4.Goldmann圧平式眼圧計
5.非接触型眼圧計
6.反跳式眼圧計
[O]眼圧測定値に影響を与える因子
[A]角膜ヒステリシス
[A]トリガーフィッシュ®システム
Ⅲ.隅角検査
1.隅角の解剖・生理
2.細隙灯顕微鏡検査(van Herick法)
3.隅角鏡検査・隅角所見分類
4.隅角鏡検査:緑内障における異常所見
5.超音波生体顕微鏡検査
6.前眼部OCT検査
[O]360°ゴニオスコープGS-1
Ⅳ.視野検査
1.緑内障性視野異常の特徴と病態
2.Goldmann視野検査
3.Humphrey視野計
4.Octopus視野検査
5.視野障害の進行評価
[T]アイモ®
[O]機能選択的視野計
[A]視野とAI
[O]網膜疾患の視野
[T]視路疾患の視野
Ⅴ.眼底検査
1.眼底の見方
1)正常乳頭の構造
2)乳頭所見のとり方
3)緑内障乳頭判定の実際
4)緑内障と紛らわしい乳頭所見
2.眼底の画像検査
1)眼底写真の活用法
a.眼底写真による緑内障評価
b.強度近視眼の特徴
c.広角眼底カメラの活用法
2)OCTの活用法
a.乳頭周囲網膜神経線維層の評価
b.黄斑部内層厚の評価
c.篩状板の評価
d.強度近視の特徴
e.OCTAの活用法
[A]LSFGの活用法
Ⅵ.緑内障患者における視機能
1.緑内障患者におけるビジョンケア
2.緑内障と運転
索引
Topics=[T]
One Point Advice=[O]
Advanced Techniques=[A]