待望の第2版!患者さんの快適・満足のために“realな治療”のワザとコツを伝授します!!
炭酸ガスレーザー治療入門第2版
美容皮膚科医・形成外科医のために
内容
序文
主要目次
2006年に文光堂から「シミの治療(初版)」を出版したころは,まだ美容皮膚科ブームの初期段階で,美容皮膚科で食べている医師の実数は少なかったと思います.2008年に「炭酸ガスレーザー治療入門(初版)」と「Qスイッチルビーレーザー治療入門」を出版したころから,美容分野を手がけようとする皮膚科医・形成外科医が多くなってきて,拙書(3冊)も一定の評価をいただけるようになりました.その後時は流れ,最近にかけて史上空前の美容皮膚科ブームが訪れ,皮膚科医・形成外科医だけでなく,他科からの参入や,大手・中小のチェーン美容皮膚科が爆発的に増加しました.最近では,筆者は2017 年に「ピコ秒レーザー治療入門」を,2021年には「基礎から学ぼう 医療レーザー脱毛入門」を,いずれも文光堂から出版しました.その間「シミの治療」は2015年に第2版に改訂しました.美容皮膚科の発展とともに,筆者のテキスト群は充実していったことになります.2020年からのコロナ禍で,医療界は全体的に大きなダメージを受けましたが,美容皮膚科の隆盛は,かげりを知りません.
この間に,美容皮膚科はかなり細分化・多角化し,全体的にはノーダウンタイムの軽い治療が増えました.治療の種類が増えただけでなく,施術施行数ベースで見ても,過半数以上がノーダウンタイム系になっているようです.その中にあって,筆者は,ダウンタイムがあっても永続的効果の高い「realな治療」にこだわり続けています.これは,本当は時代遅れなのかもしれません.ところが,最近,ノーダウンタイム治療ばかり行っている美容皮膚科が「real な治療」も行おうと考える例が多くなってきています.今さら炭酸ガスレーザーでもないだろうと思うかもしれませんが,意外と本書の需要は増えているので改訂第2版の出版が決定されました.
美容というものは,患者さんの快適・満足が最大の目的になりますから,実質的・永続的治療効果よりも,現在の「快」が重要です.しかし,長くこの仕事をやっていると「10年前にここでシミを取っても
らったのが今でもきれいで,近所のクリニックで取ってもらったシミは半年で再発したので,やっぱりここに来ました」という患者さんが多くやってくるようになりました.筆者が,ダウンタイムありでも実質
的・永続的治療効果の高い「realな治療」にこだわり続ける理由がここにあります.炭酸ガスレーザー治療は,古くて新しいrealな治療なのです.この良さを少しでも多くの方々にわかっていただくことが,筆者の願いです.
2021年10月
葛西健一郎
1.原理・機械
2.手技の基本
3.術後ケア
4.コメディカルの役割
Ⅱ 黒 子
1.黒子治療の要点・組織学
2.通常の顔面の黒子
3.鼻周囲
4.頭髪内
5.眼瞼縁
6.眉毛部
7.口唇(赤唇部)
8.体 幹
9.Unfavorable resultsとその原因
Ⅲ SK
1.SK治療の要点・組織学
2.頬などの通常のSK
3.大きなSK
4.眼瞼周囲
5.有毛部・生え際
Ⅳ その他
1.skin tag
2.(深在性)ミリウム
3.脂腺増殖症
4.(眼瞼多発性)汗管腫
5.アテローム類
6.血管拡張性肉芽腫
7.口唇粘液囊腫
8.眼瞼黄色腫
9.レックリング病の多発神経線維腫
10.切除縫縮術後のdog-ear修正
11.表皮トンネルに対するトンネル切開
12.尋常性疣贅
13.ニキビの圧出処置(C02面圧)
14.ニキビアト
15.鶏 眼
16.表皮母斑
17.先天性色素性母斑
18.点状集簇性母斑
19.プリングル病
20.鼻 瘤
21.炭酸ガスレーザー治療が好ましくない疾患
索 引