たったこれだけ!ベッドサイドで迅速な診断につなげる心エコー法を伝授!
POC心エコーマニュアル
Point of Careで症状から考える心臓超音波検査
内容
序文
主要目次
本書は,救急室や病棟のベッドサイド(Point of Care:POC)で医師やコメディカルが患者の病態評価や診断を行う際に,その手助けとなるように書かれた心エコーマニュアルです.本書を執筆した理由は,救急医や若手医師,総合診療医やコメディカルの方から心エコーのコンサルトを受ける度に,世の中にPOC心エコーに関する情報が圧倒的に不足していると感じるようになったからです.
救急医や若手医師,総合診療医やコメディカルは日常診療で循環器疾患に対応する機会が多く,また,心エコーについての勉強も非常に熱心です.しかし,心エコーのコンサルトを受けてPOCで撮った心エコー画像を見てみると,何を評価すればよいのか困っているように感じることがあります.その理由として,「POC心エコーに焦点をあてた情報が少ない」ことが挙げられます.心エコーの成書は,心エコーを専門とする医師やコメディカルが検査室で実施する心エコーをさらにスキルアップさせる目的で書かれたものがほとんどです.しかし,心エコーを専門としない医師やコメディカルが真に必要としているのは,POC心エコーでのチェックポイントやその解釈方法についてです.そこで我々は,POC心エコーの使い方やチェックポイント,解釈に重点を置いた,現場で簡便に使用できるマニュアルを作成したいと考えた次第です.
最後に,このマニュアルを作成するにあたり,文光堂編集企画部の堀内珠理さん,当院ハートセンターの皆さん,心エコーファミリーの皆さん,内科レジデントの平松由布季先生から多大なアドバイスを頂いたことに対して,この場を借りて厚くお礼申し上げます.また,最大のサポートをしてくれる家族にもこの場を借りて感謝を伝えたいと思います.
2018年2月吉日
柴山 謙太郎
1.エコープローブの種類
2.体位と呼吸
3.POC心エコー
4.心エコーのアプローチ
5.基本断面
6.ドプラ法
STEP●2 POCで活かす! 身体所見のとり方
1.身体所見の意味
2.四肢末梢
3.頸 部
4.胸 部
5.腹 部
6.聴 診
STEP●3 POCで考える! 症状から導く鑑別
1.ショック
2.胸 痛
3.失 神
4.動 悸
5.呼吸苦・浮腫
STEP●4 POCで診る! 心エコー図診断
FCU
1.FCUチェックポイント
2.病態評価からの診断のながれ
TTEL 疾患各論
A 急性心不全
B 虚血性心疾患
1.急性冠症候群(ACS)
2.労作性狭心症(AP)
C 弁膜症
1.大動脈弁狭窄(AS)
2.急性大動脈弁逆流(AR)
3.急性僧帽弁逆流(MR)
D 心筋症
1.閉塞性肥大型心筋症(HOCM)
2.拡張型心筋症(DCM)
3.たこつぼ型心筋症
E 感染・腫瘍
1.急性心筋炎
2.感染性心内膜炎(IE)
3.心臓粘液腫
F 血管疾患
1.急性大動脈解離(AD)
2.肺血栓塞栓症(PTE)
G 心タンポナーデ
Appendix 心エコー図の基準値
1.心臓サイズ
2.弁膜症の重症度評価
文 献
索 引