受験者必携!視能訓練士国家試験完全対応の問題集!!
視能訓練士セルフアセスメント第6版追補版
第45回視能訓練士国家試験問題・解説
内容
序文
主要目次
第45回視能訓練士国家試験は,昨年同様合格率が高かった.問題の質は,講義だけでなく,実習を真面目に受けていなければ解答できない臨床的な問題も多く,全般としては良い傾向である.
毎回序文で指摘しているが,今回も眼科用語が,不適切に使用されているのが目立つ.眼科用語集が改訂されて10年になるのに,試験委員会では旧用語に拘泥してきた.
旧用語で出題されると,現行用語で学習してきた学生は戸惑うので,困った問題と思ってきた.今年はその最たるものであった色覚用語が旧用語を避けて出題されたのは喜ばしい.一方,Hirschberg試験およびKrimsky試験がそれぞれ旧用語のHirschberg法およびKrimsky法が使用されているが,これらの原語はすぐ分かる.ただ旧用語が凡例に使われているのは見苦しい.上斜筋麻痺が先天と後天性と性の使用に統一を欠いたり,漢字とひらがなの使い分けなど,一般用語に問題あるのは委員長副委員長校閲会議で試験免許室の担当者が新表記辞典を座右に置きこれは漢字が使えますと教えてくれたのを思い出す.眼科用語は委員長が,一般用語は事務官が適切な使用に真摯に取り組んで頂きたい.
問題の質については,評価領域分類taxonomyでは,想起のI型が多いが,解釈のII型や問題解決のIII型の良問も少なくない.また,A typeの設問が正解2つのX(2)typeと考えられるのが複数題あった.その内1題は「複数正解があるため」という理由で複数の選択肢を正解として採点されている.A typeの問題は,ワンベストを解答すれば良いので,他に例外的に間違いのない選択肢が含まれていても可になっている.しかし,その比重は正解がはるかに勝っていなければならない.今回の問題に「弱視について正しいのはどれか」の設問の正解と思われる選択肢に「間欠性外斜視に斜視弱視は発生しない」と「片眼性の形態覚遮断弱視は予後不良である」とがある.受験生は後者を選ぶ者が多いであろうが,不適切問題とはなっていないものの,臨床的にはどちらも同じくらい正しい事実であり納得がいかない.いろいろと苦言を呈したが,試験委員全体のさらなる向上を期待したい.
本書の利用に当たっては,「視能学第2版」と「視能訓練士セルフアセスメント第6版」とを併用すると便利である.
なお,問題の整理には田中絵理助手の協力を得たことを付記する.
平成27年6月
丸尾敏夫
久保田伸枝
1. 人体の構造と機能及び
心身の発達・加齢
2. 疾病と障害の成り立ち及び
回復過程の促進
3. 視覚機能の基礎と検査機器
A. 眼の解剖と生理・病理・免疫・遺伝
B. 生体と検査機器
4. 保健医療福祉と視能障害のリハビリテーションの理念
[II] 基礎視能矯正学
1. 視能矯正の枠組み
2. 両眼視機能と眼球運動
A. 外眼筋の作用と眼球運動
B. 輻湊・開散・AC/A 比
C. 両眼視
3. 視覚生理学の基礎
A. 形態覚
B. 視野
C. 色覚・光覚
D. 眼の電気生理
4. 生理光学
A. 眼球光学
B. 屈折・調節の異常
C. 屈折・調節の検査
D. 屈折・調節の矯正
[III] 視能検査学
1. 眼科検査学
2. 眼科薬理学
[IV] 視能障害学
1. 眼疾病学
A. 眼瞼・顔面・涙器
B. 結膜・角膜・強膜
C. 水晶体・緑内障
D. ぶどう膜
E. 網膜・硝子体
F. 視神経・視路
G. 瞳孔
H. 眼振
I. 心因性視覚障害
J. 全身疾患と眼
K. 症候群・組み合わせ・症状
L. 外傷
[Ⅴ] 視能訓練学
1. 斜視
A. 斜視検査
B. 斜視治療
a. 斜視の光学的治療
b. 斜視手術
C. 各型
a. 内斜視
b. 外斜視
c. その他の斜視
d. 眼性頭位異常・麻痺性斜視
e. 斜視特殊型
2. 弱視
3. ロービジョン
4. 臨床心理
5. 視能訓練
A. 弱視訓練
B. 斜視訓練