コアカリ準拠で[アクティブ・ラーニング]を実践できる新しいテキストの神経障害編!
理学療法アクティブ・ラーニング・テキスト
神経障害理学療法学
内容
序文
主要目次
「変化も早く,情報も大量にあり,多くの知識を手軽に入手することができる世の中で,今必要なことは何でしょうか?」とある研修会の講師に問われたことがあります.情報収集能力? 適応能力? 判断能力?…….
これからの時代は自分が得た情報を如何に自分なりに理解し,解釈してさらには行動するために活用するかが大切です.そのためには「思考力・判断力・表現力」が重要であり,われわれ理学療法士も論理的な思考力(ロジカルシンキング)は必携のスキルです.しかし,このスキルを身に付けるにはいくつかの条件が必要で,ただ知識を得ただけでは備わらないことは明白です.
今までの学びの現場は受動的な座学が主な形態でしたが,2017(平成29)年に文部科学省から「積極的・能動的授業・学習」を推進するアクティブ・ラーニングを推奨するという提言が出されました.しかし,約5年が経過してアクティブ・ラーニングの方向へは本当に進んでいるでしょうか.私も4月から教員として勤務していますが,多くの教育現場で受動的な座学が多いと聞いています.その原因はいくつか考えられますが,どのようにアクティブ・ラーニングを展開していったらよいのか,その体系的な方法がわからず従来の方法で授業を行っていることも少なくないと思います.
そんな中,本書は神経障害の代表的な疾患を網羅し,レクチャーの中で疾患と理学療法の基本知識を学習したうえで,グループでアクティブ・ラーニングを行うための目標,課題・問題,ディスカッションなどがバランスよく配置され,得た知識を発展させて考え,仲間と意見交換し,そしてアウトプットすることが可能な構成になっています.自分で疑問を持ち,文献などを検索し,思考し,その知見で理学療法効果を生み出せることが一人前の理学療法士として,プロフェッショナルとして重要なことです.その学びのセンスを磨くには学生時代や若い時代からアクティブ・ラーニングを身につけることが必須です.
守破離という言葉がありますが,まずは「型」を覚えることが大切です.思考過程の「型」を本書で学び,仲間の多様な意見を受け入れ,そして自分の考えも伝えていく.医療人として理学療法士には患者を回復させるという目的があり,その手段の一つとしてこの本書からアクティブ・ラーニングの思考の型を学び,実践の治療効果の向上につながる実践家が育つことを願ってやみません.
「知行合一」,その源には積極的な学びがある.
2021年7月
学術編集 諸橋 勇
第2章 脳血管障害(急性期)
第3章 脳血管障害(回復期)
第4章 脳血管障害(生活期)・認知症
第5章 頭部外傷
第6章 高次脳機能障害(半側空間無視・Pusher現象)
第7章 Parkinson病
第8章 脊髄小脳変性症(SCD)
第9章 多発性硬化症(MS)
第10章 多発ニューロパチー(GBS・CIDP・CMT)
第11章 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
第12章 筋ジストロフィー(Duchenne型など)
第13章 その他の神経筋疾患(重症筋無力症・多発性筋炎)
第14章 脳性麻痺(痙直型・アテトーゼ型)
第15章 脳画像
索 引