足と靴に携わる多職種に大いに役立つ知識満載の大好評書がパワーアップ!
新刊リハビリテーションのための足と靴のみかた改題第2版
内容
序文
主要目次
2013年に「もっと足と靴のことを多くの理学療法士に知ってほしい」という想いを形にした『理学療法士のための足と靴のみかた』の初版を発刊してから,11年の歳月が経ちました.
「足と靴だけでここまで幅広く書くとは!」とのお言葉をいただき,理学療法士のみならず,多くの医療従事者や靴製作・販売にかかわる方々にもお読みいただきました.
この11年の間に,足や靴に関する書籍が数多く発刊されるようになりました.社会の意識やニーズも変化し,靴や履物そのものも多様性を増しています.特に『コロナ禍』と呼ばれる時期を境に,オンラインワークなどにより外出機会が減った方がいる一方で,釣りやキャンプといったアウトドアレジャー,登山やジョギングといったアクティビティに取り組む方が増加するなど,文化そのものが変化したと感じています.
スポーツシューズに目を向けると,とりわけマラソンなどで話題となった厚底シューズは記録を大きく伸ばす一方,履きこなすためのトレーニングの必要性や,その欠如による障害が議論されています.靴の販売に関しても,従来のマスメディアによる宣伝や店頭販売に加え,SNSを利用したマーケティングやインターネットを通じた販売が加速しました.
臨床現場においては,足に対する運動療法も変わってきました.体幹の『ローカルスタビライザー(local stabilizer)』の概念が足部にも応用され,McKeonらによって『フットコアシステム(foot core system)』という新たな概念が提唱されました.それに伴い,『ショートフットエクササイズ(short foot exercise)』といった新しい運動療法が導入されています.
さて,第2版では,『理学療法士』だけでなく,足や靴を多職種がかかわる課題と捉え,『リハビリテーションのための足と靴のみかた』とタイトルを改めました.執筆には,それぞれの分野の第一線でご活躍の先生方にご協力いただき,有益な情報を余すところなくご執筆いただきました.この場を借りて,深く感謝申し上げます.
加えて,多様な履物を知っていただくために『下駄トレーニング』や『女性の靴』といった新しいトピックを加えました.コラムでは『在宅でのフットケア』や商品を販売するための『マーケティング戦略』といった,医療の枠を超えた内容も追加いたしました.読者の皆さまには,「足や靴って面白いな!」と感じていただければ幸いです.
最後に,初版から引き続きご担当いただきました編集者の奈須野剛弘氏,そして株式会社文光堂のご理解と多大なるご尽力に,心より感謝申し上げます.加えて,編集・執筆を支えてくれた家族にも,ここで感謝の意を表します.
2024年9月
坂口 顕
1 改めて,なぜ今,足と靴なのか?
第2章 足の基本
1 足の解剖
2 足の運動学
3 足の評価
4 足の変形と疾患
5 足のエクササイズ
第3章 靴の基本
1 靴の基本
2 靴の履きかた・選びかた
3 靴の運動学と靴による障害
4 女性の靴
5 一般的な足底挿板の考えかた
6 靴下の基本
【コラム】フットサポーターの開発とマーケティング
7 トレーニング機器としての下駄
第4章 シーン別 靴の処方
1 有痛性疾患と靴の処方
2 高齢者のための靴
3 子供のための靴
【コラム】子供のスポーツと足・靴
4 足病患者のための靴
5 透析患者のための靴
6 足の変形・関節リウマチ
【コラム】日本における在宅でのフットケア
第5章 ADLと環境設定
1 靴の着脱動作
2 靴を履くための日常生活動作と環境設定
【コラム】装具と靴
巻末 カラー写真
索引