診療ガイドラインとシステマティックレビューに基づき,評価指標・基準値・介入のエビデンスをこの一冊に凝縮!
運動療法エビデンスレビュー
臨床・研究に役立つ評価指標・基準値・介入のエビデンスをこの一冊に凝縮
内容
序文
主要目次
1)臨床現場で携帯できるポケットサイズ.表紙裏ページには便利な頻用評価シートを掲載.
2)箇条書きと図表を可能な限り盛り込み,読み取れる情報量を多くした.
3)評価指標ごとにその評価手順を記載した.
4)参考値や異常値を判断する基準値を提示した.
5)疾患別運動療法療法の流れ・評価指標,介入のエビデンスを提示した.
6)診療ガイドラインやシステマティックレビューなど参考にすべき文献を可能な限り記載した.
いずれの疾患に対しても,安全で効果的な運動療法を展開するには病態(原因,重症度,増悪因子など)や治療介入(初期治療など)とその経過を把握するとともに,心身機能の障害とそれに伴う能力障害を的確に捉える必要がある.
近年,運動療法に関する書籍が数多く出版され,疾患別の臨床評価指標と運動療法の実施方法が解説されている.しかし,いざ,これらの書籍をもとに,評価指標を選択し臨床や研究で実践しようとしても,科学的に信頼性の証明された評価方法を具体的にどのように実施したらよいのかがわからず,多くの文献や書籍を探さなければならないことも多い.また,その指標から得られた結果を解釈しようとしても,問題が生じているか否か(例えば,機能低下の有無)を判別するための参考値,さらには治療目的に沿った目標値が見当たらないなど,臨床指標を活用する上での障壁は多い.また,運動療法の実践においても,普段遭遇することが少ない疾患においては,どのような運動療法が科学的に証明されているのかを,その都度,文献を調査することは,忙しい日常臨床においては容易ではない.
そこで,本書では,本企画の第一弾として,内部障害(心疾患,呼吸器疾患,腎疾患,糖尿病など)に絞り,関連する診療ガイドライン,システマティックレビューや個別の文献に基づいて,評価指標の臨床的意義,診断基準とその解釈,運動療法に関する情報などを,「臨床・研究に役立つ評価指標・基準値・介入のエビデンス」としてまとめた.また,参考とする十分なエビデンスや文献が見当たらない場合は,北里大学に所属する理学療法士が中心にまとめた研究論文ならびにデータに基づいて,必要と思われる情報を提示した.
特に,本書は下記の6つの点にこだわり,知りたい,必要な最新の情報が,いつでも,一目でわかるように,工夫した.
1)常に携帯できるポケットサイズ!
→ 本書の大きさ(サイズ)を臨床現場で常に携帯できるポケットサイズとした.
2)必要な情報が一目でわかる!
→ 箇条書きと図表を可能な限り盛り込み,見開きのページで読み取れる情報量を多くした.
3)評価に使われる指標とその評価方法がわかる!
→ 評価指標ごとに,科学論文でも用いられている評価手順をもとに,具体的に記載した.
4)評価結果に対する判断基準(参考値,異常値など)がわかる!
→ 評価指標を用いた際の参考値や異常値を判断する基準値を提示した.
5)疾患別の運動療法の指針がわかる!
→ 対象疾患の診断,疫学,予後や治療の流れを図表で示した.
→ 対象疾患に対する臨床評価指標と意思決定の根拠になる参考値を示した.
→ 対象疾患に対する運動療法のエビデンスを示した.
6)参考にすべき最新の文献がわかる!
→ 臨床だけでなく研究を行う上でも有用な情報が素早く得られるように,記載した文章には可能な限り根拠となる資料を記載した.
2018年7月
松永 篤彦
神谷健太郎
1 バイタルサイン
1) 呼吸数
(1)フィジカルアセスメントによる評価方法
(2)機械による評価方法
2) 呼吸様式
3) 脈の性状・脈拍数
4) 血圧・平均血圧・脈圧
(1)収縮期血圧,拡張期血圧
(2)平均血圧と脈圧
5) 体温
(1)腋窩温
6) 経皮的酸素飽和度
2 身体所見
1 一般的な所見
1) 意識障害
(1)Japan Coma Scale(JCS)
(2)Glasgow Coma Scale(GCS)
2) 不穏・鎮静状態・せん妄
(1) リッチモンド興奮/鎮静スケール
(Richmond Agitation-Sedation Scale:RASS)
(2)Confusion Assessment Method(CAM)
(3) Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit(CAM-ICU)
3) 脱水
(1)身体所見
(2)血液・生化学・尿検査・エコー所見
4) 栄養状態
(1)身体所見
(2)MNA-SF
(3)Geriatric Nutritional Risk Index(GNRI)
(4)Controlling Nutritional Status(CONUT)
5) チアノーゼ
(1)身体所見
6) 貧血
(1)身体所見
7) 失神・起立性低血圧
(1)身体所見
8) 形態
(1)身長・体重・BMI
(2)四肢周囲長
(3)腹囲・waist hip ratio
9) 認知
(1)Mini-Mental State Examination(MMSE)
(2)時計描写テスト(Clock Drawing Test:CDT)
(3)Mini-Cogテスト
(4)Six-Item Screener
10) 疼痛
(1) 視覚アナログスケール(Visual Analogue Scale:VAS)
(2) 数値評価スケール(Numerical Rating Scale:NRS)
(3)フェイススケール(Face Scale)
(4)Behavioral Pain Scale(BPS)
11) 柔軟性
(1)Sit and Reach
(2)Chair Sit and Reach
12) 筋力
(1)握力
(2)等尺性膝伸展筋力
(3)Medical Research Council Scale(MRC)
13) バランス
(1)片脚立位時間
(2)Functional Reach Test
(3)Berg Balance Scale(BBS)/Functional Balance Scale(FBS)
(4)Timed Up and Go Test(TUG)
14)包括的下肢機能
(1)Short Physical Performance Battery(SPPB)
15)歩行速度
(1)快適歩行・最大歩行速度
16)間欠性跛行
(1)自覚症状,身体所見
(2)Walking Impairment Questionnaire(WIQ)
(3)腰部脊柱管狭窄症診断サポートツール
(4)腰部脊柱管狭窄症診断用質問票
(5)腰部脊柱管狭窄症自記式診断サポートツール
17) 運動耐容能
(1)6分間歩行試験
(2)漸増負荷SWT(Incremental SWT:ISWT)
(3)一定負荷SWT(Endurance SWT:ESWT)
(4)運動負荷試験
(5)ガードナー負荷試験
(6)心肺運動負荷試験(Cardiopulmonary Exercise Testing:CPX)
18) 疲労・自覚的運動強度(Rating of Perceived Exertion:RPE)
(1)Borg指数
19) 身体活動量
(1)アンケート法
(2)加速度計法
(3)歩数計法
20) サルコペニア
(1)身体機能計測による評価
(2)質問紙
21) フレイル
(1)Fried Scale
(2)J-CHS基準
(3)FRAILTY SCORE
(4)Frail Scale
(5)Clinical Frailty Scale
2 疾患特異的な所見
1) 呼吸器疾患の身体所見
2) 心疾患の身体所見
3) 末梢動脈疾患の身体所見
4) 腎疾患の身体所見
5) 糖尿病の身体所見
II 内部障害系主要検査
1 胸部単純X線写真(CXP)
2 血液・生化学検査:基準値と異常値の目安一覧
3 血液ガス
4 心エコー図
1) Bモードの基本断面
2) Mモードの基本断面
3) 壁運動評価
5 心臓カテーテル検査
1) 血行動態の評価
2) 冠動脈の評価
3) 左室壁運動の評価
4) 心臓カテーテル検査の合併症
6 スパイロメトリー
1) 肺活量(vital capacity:VC)
2) 努力性肺活量
7 末梢血管生理機能検査
1) PWV
2) ABI
3) FMD
4) RH-PAT
III 疾患別運動療法編
1 心血管疾患
A 心不全
B 心筋梗塞・狭心症
C 大血管
D 末梢動脈疾患
2 呼吸器疾患
A 慢性閉塞性肺疾患
B 間質性肺炎
C 急性呼吸不全・ARDS
3 集中治療室関連疾患[ICU-AW,PICS]
4 腎疾患
A 慢性腎臓病(保存期)
B 末期腎不全(透析患者)
5 生活習慣病
A 糖尿病
B 脂質異常症
C 高血圧症
D がん
6 サルコペニア