定番のロングセラー!最新の小児科診療を網羅した改訂第11版!!
小児科学第11版
内容
序文
主要目次
本書は,教育者として名高い故 中山健太郎教授が学生教育用に編纂された小児科学の教科書として1970年にスタートしました.学生の理解を深めるために,各章のはじめにまとめをおき,図表を多く使用するなど,当時としては画期的な視点を持った教科書でした.その後,長い歴史を経てそれぞれの分野の第一人者による改訂を重ね,今回,第11 版を上梓する運びとなりました.
この約50年の間の先輩方の努力が実を結び,小児医療は「救命率」という点では一定の水準に達しました.しかし,出生数の減少により,子ども人口が少なくなっています.その一方で,小児医療・医学は複雑化し,高度な医療が必要となっています.これらの背景から,質の高い小児医療の担い手として小児科医の役割はむしろ重要なものになっています.
小児科学では,子どもの成長や発達の過程を広く取り扱うため,関連する領域は広く,さらには子どもをとりまく社会や環境も小児科学の重要な一分野です.さまざまな専門家間の連携が必要になっていることから,横断的な連携に必要な知識である集中治療や遺伝医療の章を新たに設け,関連する外科領域の充実も図りました.
インターネットで容易に情報が検索できるようになった一方で,情報が過剰になり,あふれる情報から何をどのように取捨選択して整理・理解すればいいのか,難しい時代になっています.そのため,前回の改訂から12年が経過した今回の第11版では,新たな知識を追加するとともに,各領域の専門家の視点から,若手小児科医・医学生が病態を理解するための助言とともに「診療の現場で知っておいてほしいこと」を伝えていただく記載をお願いしました.
執筆者のみなさまの多大なご協力をいただき,さらには文光堂編集部のご助力により,編集者の想像をはるかに超える充実した改訂版に仕上がりました.子どもは小さい大人ではなく,子どもの特性を理解することの重要性は,初版以降変わっておりません.本書を通じて,小児科学・小児医療の奥深さと面白さをお届けすることができれば望外の喜びです.
2023年3月 加藤元博
第2章 成長
第3章 発達生理
第4章 脳の発達と発達心理
第5章 小児の診察法
第6章 新生児の診察法
第7章 治療総論
第8章 予防接種
第9章 育児の知識と乳幼児健診
第10章 保育施設と小児科医
第11章 社会小児科学
第12章 子ども虐待
第13章 事故による傷害の実態とその予防
第14章 小児の救急医療
第15章 小児の集中治療
第16章 小児の病因総論
第17章 感染症総論
第18章 健康小児の栄養と栄養不足・過剰
第19章 水・電解質・酸塩基平衡と脱水症
第20章 出生前小児科学
第21章 新生児学
第22章 早産児・低出生体重児学
第23章 遺伝医療と遺伝カウンセリング
第24章 先天奇形
第25章 先天代謝異常症
第26章 代謝性疾患
第27章 成長障害と内分泌疾患
第28章 生体防御と免疫不全症
第29章 アレルギー疾患
第30章 リウマチ性疾患と類縁疾患
第31章 川崎病
第32章 ウイルス性疾患
第33章 細菌・真菌感染症
第34章 原虫・寄生虫・節足動物による疾患
第35章 呼吸器疾患
第36章 循環器疾患
第37章 消化器疾患
第38章 腎疾患
第39章 泌尿器・生殖器疾患
第40章 血液と造血器疾患
第41章 悪性新生物
第42章 神経系疾患
第43章 筋・末梢神経と結合組織疾患
第44章 発達障害と行動小児医学
第45章 思春期の子どもの医療
第46章 小児外科疾患
第47章 皮膚疾患
第48章 眼疾患
第49章 耳鼻咽喉疾患
第50章 歯・口腔疾患
第51章 骨・関節疾患
第52章 遺伝子治療
第53章 薬物投与の基本的考え方
第54章 正常数値など
索引