今日の呼吸器内科学がこれ1冊でわかる!
イラストでわかる呼吸器内科学(電子版のみ)
内容
序文
主要目次
☆図版125点,表組69点,モノクロ写真14点,イラスト・線画57点
医学研究の進歩は目覚ましく,生体の機能や疾患の病態がより詳細に深く明らかにされ,医学情報量は増加の一途をたどっている.とくに,呼吸器内科学においては,気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった慢性疾患,肺炎,肺結核,肺非結核性抗酸菌症等の感染症,肺癌,睡眠時無呼吸症候群と疾患群も多岐にわたるため,その情報量は膨大である.
こういった状況下で,呼吸器内科学を効率よく理解していただくために「イラストでわかる呼吸器内科学」を企画した.文章中心のテキストであれば,盛り込まれた内容を理解するのに時間がかかるが,要点をイラスト中心で提示すればより短時間で頭にインプットされ,さらに長く記憶にとどまると思われる.
先に述べた疾患の多様性から,呼吸器内科学を学ぶには,生理学,免疫学,病理学,生化学,分子生物学,さらには遺伝学といった広い視野からのアプローチが必要になるが,本書はこういった基礎的データも十分織り込んだ内容となっており,医学生はもとより,研修医,医師,さらには呼吸器専門医まで幅広く利用できる.最近では,チーム医療ということで,多くの方々の協力を得て医療を行うわけであるが,コメディカルの方々にもぜひ手に取っていただき参考にしていただければ幸甚です.
もちろん,呼吸器内科学のすべてを網羅するよう企画したが,ページ数の都合上ごく細かい部分は省略されている場合もある.
まず本書で呼吸器内科学の概要を理解し,興味をもった病態,診断法,あるいは治療法に関しては原著論文等で知識を深めていただければと思う.
最後に,本書の上梓にあたり,多忙な研究,診療,教育の中,執筆いただいた東北大学呼吸器内科学分野,和歌山県立医科大学内科学第三講座,および関連病院の諸先生,さらに本書の完成に尽力された文光堂の嵩恭子,中村珠理の両氏に深く感謝します.
東北大学呼吸器内科学分野
一ノ瀬正和
A 呼吸器の解剖及び基礎
1 解剖
2 呼吸生理
3 防御と免疫
B 呼吸器疾患の主要徴候
1 咳と痰
2 呼吸困難
3 胸水
4 呼吸不全
C 呼吸器疾患の診断及び検査
1 理学的診断法
2 喀痰検査
3 呼吸機能検査
4 画像検査
5 呼吸器内視鏡検査
D 呼吸器疾患の管理及び基本手技
1 気道の薬理
2 理学療法
3 酸素療法
4 吸入療法
5 気道確保
6 人工呼吸
7 胸腔ドレナージ
各論
A 気管・気管支・肺の発育異常及び形成不全
B 感染性疾患
1 かぜ症候群,インフルエンザと急性気管支炎
2 細菌性肺炎・肺膿瘍
3 非定型肺炎
4 肺結核
5 肺非結核性抗酸菌症
6 誤嚥性肺炎
7 肺真菌症
8 肺寄生虫症
9 ニューモシスチス肺炎
10 肺ウイルス感染症
C 閉塞性肺疾患
1 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
2 気管支拡張症
3 びまん性汎細気管支炎(DPB)
D 間質性肺疾患
1 間質性肺炎
2 過敏性肺炎
3 塵肺症
4 薬剤性肺炎
5 放射線肺臓炎
E 肺循環障害
1 急性呼吸促迫症候群(ARDS)
2 肺血栓塞栓症
3 肺高血圧症
4 肺性心
5 肺動静脈奇形
F 呼吸障害
1 肺胞低換気症候群
2 睡眠時無呼吸症候群
3 過換気症候群
G アレルギー性気道・肺疾患
1 気管支喘息
2 好酸球性肺炎
3 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
H 気管・気管支・肺腫瘍
1 良性腫瘍
2 原発性肺癌
3 転移性肺腫瘍,その他の肺腫瘍
I 全身性疾患の肺病変
1 サルコイドーシス
2 膠原病肺
3 ウェゲナー肉芽腫症/多発血管炎を伴う肉芽腫症
4 グッドパスチャー症候群
5 ランゲルハンス細胞組織球症
6 神経筋疾患による呼吸障害
J まれな疾患
1 肺胞蛋白症
2 肺胞微石症
3 リンパ脈管筋腫症
K 胸膜疾患
1 胸膜炎
2 血胸
3 乳び胸
4 気胸
5 胸膜中皮腫
L 縦隔疾患
M 横隔膜疾患
N 胸郭疾患
索引