外来診療・一人当直もこれで安心!内科外来での応急処置・救急診療,転送判断基準をコンパクトにまとめました!!
Medical Practice 2022年臨時増刊号(39巻)
マイナーエマージェンシー(電子版のみ)
外来診療・一人当直に強くなる!いざというときの対処法
内容
序文
主要目次
緊急時に人命を救うことは医師の基本であり,適切な救急診療の知識と技術を修得することはすべての臨床医にとって非常に重要な課題である.この観点から医師臨床研修制度では,初期研修中に必ず救急診療を経験するようにプログラムが設計されており,新しい専門医制度においても内科専門医研修プログラムでは,JMECC(内科救急・ICLS 講習会)の受講を必須としている.この他にも,救命に特化した救急診療を学ぶ機会はいろいろと提供されている.
一方で,すぐに生命には関わらないものの,緊急で対応が必要な疾患・病態は「マイナーエマージェンシー」と呼ばれ,これらに対する診療も患者数が多いだけに臨床的には非常に重要である.特に救急車で受診するほどではない救急疾患の多くは,大学病院・総合病院の救命救急センター(ER)や救急専門のクリニックではなく,地域の一般病院やクリニックの外来で診療されているのが実情であろう.
専門医がいない,特別な機器がない状態で,自分一人でどのように対応すべきか,どのような病状のときに専門医に紹介すべきか,不安を感じながら救急患者を診療している実地医家も多いことと思われる.本書は,プリマリケア医や専門外の医師が,クリニックレベルでの救急診療や処置を行うときに,実践に役立つ書物となることを目的に企画した.執筆者の先生方には,診断までの応急処置,一般外来レベルでの救急処置,高次医療機関への転送判断基準などを,文章だけではなく,フローチャートや写真,表も含めて,実地医家にわかりやすくご解説いただくよう依頼した.クリニックなどで一般内科外来を行うときや,中小病院における夜間休日の一人当直のときに,本書が活用され,患者に適切な救急医療が提供されることを願っている.
2022年3月
編者を代表して
須永 眞司
調布東山病院院長
1.発 熱
2.意識障害
3.けいれん発作
4.めまい
5.頭 痛
6.胸背部痛
7.腹 痛
8.腰背部痛
9.呼吸困難
10.喀血・血痰
11.吐 血
12.下血と血便
13.便 秘
14. 下 痢
Ⅱ 内科的minor emergency
1.熱中症
2.脳しんとう
3.緊張型頭痛
4.片頭痛発作
5.群発頭痛
6.三叉神経痛・後頭神経痛
7.顔面神経麻痺
8.吃 逆
9.急性上気道炎
10.急性気管支炎
11.市中肺炎
12.気 胸
13.過換気症候群
14.気管支喘息発作
15.高血圧性緊急症
16.起立性低血圧
17.神経調節性失神(反射性失神)
18.頻脈発作
19.急性胃腸炎(感染性胃腸炎)
20.大腸憩室炎
21.急性胆石発作
22.バリウム検査合併症(誤嚥,便秘)
23.重症低血糖
24.痛風発作
25.急性アルコール中毒
26.動物咬傷(動物咬創)
27.針刺し事故(B・C型肝炎ウイルス,HIV感染)
Ⅲ 外科・整形外科的minor emergency
1.破傷風と予防処置
2.膿瘍-切開・排膿法
3.軽症出血-止血法
4.嵌頓ヘルニア
5.痔核嵌頓・脱肛
6.外傷性頸部症候群
7.筋肉のクランプ・こむら返り
8.ぎっくり腰
9.突き指
10.とげ刺創
11.指輪の除去
12.骨折-外固定法
13.関節脱臼-徒手整復法
Ⅳ 精神・神経科的minor emergency
1.ヒステリー発作
2.てんかん発作
3.不安発作(パニック発作)
4.せん妄
Ⅴ 眼科的minor emergency
1.眼痛および流涙
2.コンタクトレンズ合併症
3.角膜・結膜異物
4.紫外線角結膜炎(雪目)
Ⅵ 耳鼻咽喉科的minor emergency
1.耳垢塞栓,耳異物
2.鼻出血
3.急性喉頭蓋炎
4.扁桃炎,扁桃周囲膿瘍
5.唾石症の急性発作
6.魚骨のど刺傷
7.動揺病(乗りもの酔い)
8.良性発作性頭位めまい
9.メニエール病発作
Ⅶ 口腔外科的minor emergency
1.口腔内アフタ性潰瘍
2.口唇ヘルペス
3.歯 痛
4.顎関節脱臼
5.口蓋垂浮腫
Ⅷ 泌尿器科的minor emergency
1.尿路結石症発作
2.膀胱炎
3.急性尿閉-導尿法
4.嵌頓包茎
5.持続性勃起
Ⅸ 婦人科的minor emergency
1.妊娠悪阻
Ⅹ 皮膚科的minor emergency
1.急性日焼け
2.軽度熱傷
3.凍 傷
4.急性蕁麻疹
5.接触皮膚炎
6.虫刺症
7.ハチ刺症
8.帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛
9.陥入爪
索 引