ピラティスメソッドはアスリートに必要な全ての要素を網羅する!
運動療法としてのピラティスメソッド
アスリートに対する実践的プログラミング
内容
序文
主要目次
2016年8月,月刊誌の「臨床スポーツ医学」にて,アスリートに対するピラティスメソッドの可能性を特集しました.この特集号はピラティスが医学雑誌で取り上げられるという珍しさのためか,大好評でした.これは,ピラティスメソッドがアスリートをサポートするメディカルスタッフやトレーナーなどに大きく注目されていることの裏付けでありました.またこの特集がピラティスの指導者,愛好家などの知識の整理にも使われたともお聞き及びしました.そこで今回,さらにもっと深く,詳しくピラティスメソッドを理解し実践できるようにするために書籍化が決まりました.
肩関節外科医のバックグラウンドを持つ私は,理学療法や運動学を勉強していくうちに,柔軟性を維持することの難しさと重要さ,地道な体幹トレーニングの大切さを学びました.そして様々な可能性を探っていた頃に出会ったのがピラティスメソッドでした.そこで,今回の執筆者でもある武田淳也先生のクリニックを訪ね,ボディイメージを俯瞰することの難しさを体験し,さらに本書の編集者である桑原匠司先生と出会い,ピラティスメソッドによるアスリートのコンディショニングの可能性を確信しました.その後,日本でトップクラスの理学療法士の運動療法を見たとき,また世界で活躍するトレーナーのムービングプレパレーションなどの勉強会の時,“あっ,これ,見たことがあるぞ”という動きや考え方がたくさんあり,それこそピラティスメソッドのエッセンスを使っていることに気が付きました.また,アナトミートレイン,oint-by-Jointセオリーの考え方,最近のトピックになっている呼吸の考え方もピラティスメソッドと共通するものが多いことには驚かされました.Pilates Method Allianceでは,ピラティスメソッドを“身体のストレッチ,筋力強化,そしてバランス強化を目的としてデザインされたエクササイズと身体の動作法である”と定義しています.つまり,この定義からもわかるように,ピラティスメソッドはアスリートに必要なすべての要素を網羅しているものといえます.
本書が,アスリートをサポートしている医師,理学療法士,トレーナーなど各職種の方々に有用な情報となれば幸いと思います.最後に,ご多忙中にもかかわらず,ご執筆の労をお取りいただいた先生方,ご関係者,出版社の皆様に深謝いたします.
2017年10月
近 良明
1 ピラティスとは−歴史と日米の現状−
2 医師に学ぶ運動療法としてのピラティスの可能性
3 アスレティックトレーナーにとってのピラティス
4 ピラティスにおける呼吸が体幹機能に与える影響
5 モーターコントロールの観点から捉える運動療法としてのピラティス
PART II 部位別・疾患別ピラティスの進め方
1 肩・肘関節
2 体 幹
3 股関節
4 膝関節
5 足関節・足部
PART III 実践プロトコル編−ピラティスの応用
1 ウォームアップとウォームダウンとしてのピラティス
2 陸 上−長距離
3 野 球
4 サッカー
5 バスケットボール
6 バレーボール
7 テニス
8 バドミントン
9 ラグビー
10 柔 道
11 ゴルフ
12 ダンス