最新のリウマチ・膠原病診療のポイントを効率よく学べるテキスト!
リウマチ・膠原病診療ガイド第2版
病態の理解と診断・治療のTips
内容
序文
主要目次
膠原病は免疫の異常により全身の臓器障害が生じ,その診療にあたっては,各疾患の症状や検査所見とともに,病態や病理の理解が重要である.さらに,診断基準や分類基準が定められている疾患も多く,頭に入れておく必要がある.また,免疫抑制療法やステロイド治療の副作用に対しても適切な対応が求められる.こうした膨大な知識の習得には日常の臨床経験だけではなかなか不十分な場合が多い.それは有病率の低い希少疾患もかなり含まれるからである.
6年前に膠原病全般の知識を効率良く習得する助けになるように,「リウマチ・膠原病ガイド」を出版させていただいた.特に各章の冒頭に「疾患の概念」の項を設けて,ここを読めば疾患の概要が把握でき,その後に病態をシェーマで示すことでその理解の助けになるように配慮した.また,各疾患の分類基準・診断基準は可能な限り収載した.
初版の発刊から6年の間に,多くの疾患で新しいガイドラインが作成され,診療の内容もエビデンスに基づいて改良が加えられた.また,多数の生物学的製剤や JAK阻害薬などの新薬が保険適用になり,治療にも大きな変革が起こりつつある.また,新型コロナウイルス感染症も膠原病の臨床に少なからぬ影響を与えている.今回は,こうした6年間の進歩を可能な限り取り込み,最新のリウマチ・膠原病の知識を提供することを目的に改訂を行うことになった.
改訂にあたっては,内容はもちろん,読みやすさにも配慮した.例えば,「疾患の概念」では重要な語句を赤字で示すことにより,速やかな内容の把握が可能となるよう配慮した.初めてリウマチ・膠原病を学ぶ方は,まずこの項目を最後まで通読してもらうことで概要を短時間で頭に入れることができる.次に,「診断」「治療」「臨床上の留意点」では可能な限り,「見出し」を挿入し,内容の把握の助けになるよう努めた.そして,各章の最後には参考となる文献,ガイドラインの出典を追加した.この改訂版が,膠原病に関わる医師・看護師・薬剤師・その他の医療専門職の方々,さらに学生の皆さんにとって,少しでも役立つことを切望する.
最後に,改訂の機会を与えて頂いた文光堂の浅井麻紀社長・佐藤真二氏をはじめとする関係者の方々,またこれまで共に診療に携ってきた東京大学,帝京大学,北里大学の諸先生に深謝したい.さらに,病理所見につきご指導賜った故東北大学名誉教授・京極方久先生のご冥福をお祈りしたい.
令和4年3月
廣畑俊成
2 悪性関節リウマチ
3 全身性エリテマトーデス
4 ループス腎炎
5 神経精神ループス
6 抗リン脂質抗体症候群
7 全身性硬化症(強皮症)
8 多発筋炎・皮膚筋炎
9 混合性結合組織病
10 シェーグレン症候群
11 IgG4関連疾患
12 ベーチェット病
13 脊椎関節炎
14 結晶性関節炎
15 再発性多発軟骨炎
16 成人スティル病
17 リウマチ性多発筋痛症・RS3PE症候群
18 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
19 高安動脈炎
20 結節性多発動脈炎
21 顕微鏡的多発血管炎
22 多発血管炎性肉芽腫症
23 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
24 IgA血管炎
索 引