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創傷治療の技と知識を一堂に集めた,すべての外科系医師の味方となる一冊!

すべての外科系医師に役立つ

キズをきれいに確実に治す形成外科基本手技

患者満足度アップのワザとコツ

  • 編集:山本直人(自治医科大学附属さいたま医療センター形成外科教授)
  • B5判・260頁・4色刷
  • ISBN 978-4-8306-2636-4
  • 2021年10月5日発行
定価 9,900 円 (本体 9,000円 + 税10%)
あり
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正誤表

内容

序文

主要目次

すべての外科系医師(腹部・胸部・一般外科医,整形外科医,救急医,皮膚科医など)が自身の専門にかかわらず日常的に遭遇する外傷・疾患について,キズをきれいに確実に治す技術を一堂に集めた成書.顔面・手の腫瘤摘出から,腹壁の閉創,熱傷,動物咬傷など,様々な手技をビジュアルにわかりやすく解説.また,治癒過程の基礎知識や瘢痕,難治性潰瘍の治療まで,幅広く知識を得られる内容で,手技と知識の双方向から外科系医師の診療に役立てられる一冊となっている.各項目冒頭には要点欄を,末尾にはメッセージ欄を設け,本文内にはコツ(knack & tips)と落とし穴(pitfalls)の囲み記事も随所に散りばめて,目にも楽しく親しみやすい紙面とした.
序 文
 
 創傷の治療は古代より人類とともにある極めて日常的な医療といえます.そういう私も子供のころは生傷が絶えず,こちらが治ってホッとしたところに,あちらに新しい傷ができてがっかり,という日々を思い出します.当時は日常の傷で病院にかかるようなことはほぼなく,自然と水道水で洗って,赤チン塗って(その後,マキロンが登場),絆創膏で保護しておくルーチンができ上がっておりました.病院を受診したのは,頭皮挫創で多量の出血があった時で,カットグットで縫合処置されました.治癒後は瘢痕性の小さい禿髪部が残存し,当時短髪であった自分にはやけに人目が気になったものです.形成外科医になってこのような創傷を治療する立場となり,また自身の研究テーマも創傷治癒となったのは何かの縁かと勝手な感傷に浸っています.
 さて,このたび幅広い外科系医師を対象とした「すべての外科系医師に役立つ キズをきれいに確実に治す形成外科基本手技」と題した成書を上梓いたします.本書は大項目として,1.創傷治療総論と形成外科基本手技,2.外科系医師がよく遭遇する外傷をきれいに確実に治す,3.外科系医師がよく遭遇する疾患をきれいに確実に治す,4.手術創をきれいに確実に治す,5.瘢痕をきれいに確実に治す,で構成され,急性・慢性の創傷,体表疾患の基本的総論から治療各論まで広く網羅します.これらは形成外科医に限らず,多くの外科系医師が日常的に遭遇する外傷,疾患ですが,それらを一堂に集めた成書がないと感じておりました.本書の目的は,様々な外科系医師が自身の専門に関わらず日常的に遭遇する外傷や疾患の治療とその基礎について,ビジュアルにわかりやすく理解してもらうことにあります.特に創傷治療に関しては,その歴史,治癒過程の基礎知識,各種の治療手技,瘢痕の治療まで,創傷治療の一連の流れが完結する構成となっております.
 執筆は第一線の臨床で活動してる形成外科医,および関連診療科の医師にお願いしました.さらに「形成外科手技を用いるとこんなこともできる」という形成外科視点も随所に加えた内容になっております.ここに記述された治療手技は,すべてを読者自身が実践するためのものではなく,これ以上のことは専門家へ紹介するという理解を持ち,ご自身の診療の厚みを増すことに役立てていたければと考えております.プライマリーな疾患について,基礎から専門的な治療各論までを多くの外科系医師が理解し,また日常診療において形成外科手技を広く認知しておくことで,本邦の医療レベルが向上し,ひいては広く国民の健康に貢献することができれば誠に光栄です.

2021年9月吉日
山本直人
第Ⅰ章 創傷治療総論と形成外科基本手技
 1 創傷治療と形成外科手技発展の歴史
 2 創傷の治癒過程
  1)皮膚欠損創の治癒過程
  2)皮膚縫合創の治癒過程
 3 創傷の分類と治療上の留意点
 4 皮膚欠損創の処置
  1)急性創傷の初期治療
  2)外用療法
  3)閉鎖療法
 5 陰圧閉鎖療法
 6 皮膚欠損創の外科治療
  1)形成外科的皮膚縫合法
  2)植皮術
  3)有茎皮弁術
  4)Z形成術・W形成術
  5)血管柄付き遊離皮弁術

第Ⅱ章 外科系医師がよく遭遇する外傷をきれいに確実に治す
 1 眼瞼損傷の処置
 2 鼻部損傷の処置
 3 耳介損傷の処置
 4 口腔内損傷の処置
 5 手外傷の処置
 6 熱傷・凍傷・化学熱傷の処置
 7 動物咬傷の処置
 8 顔面神経損傷の処置と再建0
 9 顔面骨骨折の診かた
 10 小児の創傷処置

第Ⅲ章 外科系医師がよく遭遇する疾患をきれいに確実に治す
A.体表腫瘤と陥入爪
 1 日常的に遭遇する体表腫瘤の診断と治療
 2 顔面の腫瘤摘出術
 3 手の腫瘤摘出術
 4 粉瘤の摘出術
 5 血管奇形の分類と治療
 6 ガングリオン・粘液囊腫の治療
 7 陥入爪・巻き爪の治療
B.難治性皮膚潰瘍
 1 足壊疽の治療
  1)治療戦略と創傷の再建
  2)各種の生理機能検査による血行評価
  3)重症虚血肢の血行再建
  4)下肢切断後のケア
 2 褥瘡―自重関連褥瘡―
 3 血管炎・膠原病による皮膚潰瘍
 4 静脈うっ滞性潰瘍・下肢静脈瘤
 5 MDRPUとスキンテア
 6 難治性潰瘍の補助療法
C.皮膚・軟部組織感染症
 1 皮膚の細菌感染症
 2 重症軟部組織感染症

第Ⅳ章 手術創をきれいに確実に治す
 1 アップデートな術前処置―手術部位感染(SSI)予防のために―
 2 腹壁の閉創
 3 腹壁欠損・腹壁瘢痕ヘルニアの再建
 4 頭皮欠損の治療
 5 胸骨骨髄炎・縦隔炎の治療
 [COLUMN]漿液腫(seroma)との鑑別

第Ⅴ章 瘢痕をきれいに確実に治す
 1 瘢痕をきれいにするためのケア
 2 瘢痕・色素沈着のレーザー治療
 3 瘢痕・瘢痕拘縮の外科治療
 [COLUMN]頭皮のすり鉢状切開縫合法
 4 ケロイド・肥厚性瘢痕

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