医学・科学的根拠に基づき,結果にコミットする筋力トレーニングを解説!
イラスト図解 筋力トレーニング
医・科学的根拠に基づくアプローチ
内容
序文
主要目次
スポーツは瞬発力,持久力,柔軟性,俊敏性,バランス能力など様々な身体機能を競うものである.競技種目によって,必要な特性は様々であるが,いずれの種目もそれらを発揮して,パフォーマンスを向上するために筋力は重要な要素である.さらに,スポーツでは日常生活に比べて,はるかに大きな外力が身体に加わることも多い.これらの外力に耐え,身体の外傷や障害を予防するためにも,十分な筋力が必要になる.したがって,スポーツ選手や愛好家にとって,日頃からの筋力トレーニングは極めて重要である.しかし,スポーツ種目によって使う筋は様々であり,やみくもに筋力トレーニングを行うのではなく,それぞれのスポーツ種目にとって,最も効果的なトレーニングを行う必要がある.
様々な筋力トレーニング方法が提唱されてはいるが,有効なもの,あまり効果の得られないものなど玉石混淆であるばかりでなく,なかには身体にダメージを与えかねない危険なものもある.筋力トレーニングもスポーツ医・科学の理論に基づいた正しいトレーニングが大切である.
本企画では,まず「PART Ⅰ」として,筋力トレーニングの基礎について解説する.様々なトレーニング方法が身体にどのような影響や効果を及ぼすか,栄養や心理がトレーニングにどのような影響を及ぼすか,オーバートレーニングによってどのような問題が生じるかなどを解説したあと,最新のトレーニング方法を紹介する.
次いで「PART Ⅱ」として,部位別のトレーニング方法を解説する.体幹から上肢,下肢それぞれについて,一般の筋力トレーニングと上級アスリート向けのトレーニングについて,正しい方法を紹介するばかりでなく,誤った方法についても解説する.
最後に「PART Ⅲ」としてスポーツ種目それぞれの主な動作を念頭に,スポーツ動作別筋力トレーニングを紹介する.「強く速い打球を打つため」,「強くボールを蹴るため」,「高く跳ぶため」など具体的な動作について,エビデンスに基づいた方法を解説する.
全項目を通じて,イラスト図解を入れて,現場ですぐ実践できるように工夫した.本書がトップアスリートから一般のスポーツ愛好家まで,スポーツを行うすべての人々が,スポーツ医・科学の理論に基づいた正しい筋力トレーニングを行うための一冊になれば幸いである.
2019年10月
松本秀男
PART I 筋力トレーニングの基礎
アスリートと筋力トレーニング
効果的な筋力トレーニングの戦略
筋力トレーニングの種類と方法
効果的な筋力トレーニングに必要な栄養
効果的な筋力トレーニングのための精神・心理
オーバートレーニング・遅発性筋痛とその対応
インナーマッスルの解剖・生理学特性とトレーニング
動作改善と筋力トレーニング
筋力トレーニングの新たな方法
PART II 部位別筋力トレーニング
頚部の筋力トレーニング
腹筋群の筋力トレーニング
背筋群の筋力トレーニング
骨盤底筋群の筋力トレーニング
肩関節インナーマッスルと肩甲骨周囲筋の筋力トレーニング
肩関節周囲筋の筋力トレーニング
肘関節周囲筋の筋力トレーニング
手関節・手指に関連する筋群の筋力トレーニング
股関節屈筋と内転筋群の筋力トレーニング
股関節殿部とインナーマッスルの筋力トレーニング
大腿四頭筋の筋力トレーニング
ハムストリングスの筋力トレーニング
下腿三頭筋の筋力トレーニング
足関節周囲筋と足部の筋力トレーニング
PART III 動作別筋力トレーニング
強く速い打球を打つための筋力トレーニング
強くボールを蹴るための筋力トレーニング
強く速いボールを投げるための筋力トレーニング
高く跳ぶための筋力トレーニング
速く走るための筋力トレーニング
素早いステップを踏む,素早く切り返すための筋力トレーニング
強く安定した体幹のための筋力トレーニング