臨床現場における基本手技と処置を,カラーイラストでわかりやすくレクチャーする初期研修医必携の一冊!
レジデントのためのイラスト徹底解説講座
すぐに役立つ臨床基本手技・処置スタンダード(電子版のみ)
内容
序文
主要目次
本書は,月刊誌「臨床研修プラクティス」の刊行にあわせて企画し, 2年あまりにわたって連載したものを収集(一部追加・修正)したものである.その内容は,平成17年(2005年)の新医師臨床研修制度の開始にあたり,厚生労働省が研修を進める上での経験目標として,経験すべき基本的手技22項目を「新医師臨床研修制度における指導ガイドライン」に記載したのを参考に構成した.なお,順序は「指導ガイドライン」とは異なり,臨床研修プラクテイスの連載では,研修の習熟度,頻度,また特集の内容との絡みも考慮して掲載した.
各基本的手技は,目標に掲げられたように身につけなければならないものであるが,指導医の十分な監督の元に研修することが基本原則であり,その際の予習,復習としての本書の存在価値があると考えている.標準的な手法を中心に解説したが,特に著者自身の経験からの工夫,あるいは,こだわりも紹介した.その点では,写真よりもイラストでのポイントの紹介が適していると考え,敢えてイラストにこだわり,ステップごとのチェックポイントを協調した特色のあるイラストになったと自負している.単なるイラストと映るかもかもしれないが,細部に著者の意図するところを描写しているので,それを探しだす気持ちで各手技の極意を体得していただきたい.
スキルを習得するには,練習するより他に無い.経験を重ねることが必要である.本書をいくら熟読しても,上手にできるようになる訳ではない.いきなり患者きんで,経験することは許きれない.練習や経験不足のまま,いきなりの試合や演奏会はないように,あるレベルに到達しなければ,患者きんに迷惑をかけてしまう.指導医の方法を見て,真似て,練習することが欠かせない.外科技術の習得には,imitation,manipulation,precision,articulation,naturalizationのレベルがある.ぎこちなく真似ているところから,スムースに関節が動いて,より正確に,遂には考えながらではなく自然の動きになる.すなわち,練習と経験によってレベルが確実に上がる.さらにもう一点,重要なことは,手順の習得には,用いる器具の順番はどうか,器具をどのように配置するかである.これらも繰り返し練習することでしか身に付かない.また,一人ではなくチームで行う操作も多く,この繰り返し練習を一緒にした上で,実際の患者きんに当たってほしいものである.
本書がこれらの練習や実施の上で臨床研修に役立てば,著者として望外の喜びである.
上田裕一
2 静脈確保と点滴
3 注射法(皮肉,皮下,筋肉)
〔コラム〕「手術で使う“糸”ってどんな種類があるの?」
4 動脈採血
5 ゴム手袋の装着・手洗い
6 創部の剃毛・消毒
7 簡単な切開・排膿
〔コラム〕「手術で使う“針”ってどんな種類があるの?」
8 皮膚縫合の基本
〔コラム〕「器械結紮」
9 ガーゼ交換・ドレッシング法
〔コラム〕「1枚,2枚,3枚…ガーゼの数え方,確認はどうするの?」
10 止血法
11 基本的な気道管理
〔コラム〕「技術の伝達」
12 気管挿管・気管内吸引
〔コラム〕「気管チューブのカフ圧/テープ固定」
13 心臓マッサージ・除細動
14 導尿
15 胃管挿入
16 浣腸・洗腸
17 腰椎穿刺
〔コラム〕「スキルアップにはシミュレーションを」
18 胸腔穿刺・ドレナージ
〔コラム〕「ドレーンの管理と抜去」
19 腹腔穿刺
20 骨髄穿刺
21 内頸静脈穿刺
〔コラム〕「圧モニタリング」
22 鎖骨下静脈穿刺
〔コラム〕「中心静脈(内頸静脈、鎖骨下静脈)カテーテルの挿入と抜去」
23 大腿静脈穿刺