1ランク上を目指す外科系ナースのために!
目指せ!デキる看護師
スキルプロフェッショナル外科ナース入門
内容
序文
主要目次
本書は美容形成外科のクリニックにとどまらず,外科系クリニックのナースとしてプロを目指す人の役に立つことを目的として書かれた入門書です.これまでの手術書は,入門書であっても基本は医師か,研修医を対象に書かれたものが中心でした.このたび,ナースのための入門書を執筆することにしたのは,わかりやすい入門書を求めるナースが予想以上に多いことがわかったからです.
普段クリニックで接しているのは,駆け出しの研修医やこれから修練を積んでいこうとする若い形成外科医と比べても,手術の助手という立場において,技術的には医師以上に理解して,要点をつかんでいるところが多いナースばかりなのです.そんなクリニックに研修医クラスの医師が登場した時,最初はナースの助手としての動きをよく見てから助手につくようにと指導します.これはどのクリニックでもいえることですが,局所麻酔下では,医師と助手の会話はすべて患者さんに聞かれるため,術中の手術の指導に関する会話はあまりしたくないのです.
術者が若い医師にあれこれ注意したり,指導している様子は,手術を受けている患者さんにとっては,気持ちのよいものではありません.むしろ不安を増幅させられることになります.めぼしい手術はすべて全身麻酔で行う総合病院とはそこが大きく異なります.そんななかで術者とナースは無言のうちに,または患者さんにはわからないような言葉で,しかも手術はスムーズにうまく進んでいるような雰囲気のうちに終了するのが理想的な手術なのです.
本書は,まったく経験のないナースでも理解できるようにわかりやすく解説したので,向上心にあふれるナースの方々のお役に立つことができると思います.手術は限りなくたくさんの種類があるのではなく,定型的なものがほとんどです.つまりパターンが限られているということです.そのことがわかったナースはほっとします.覚えなければならない手術の種類は無限ではなく意外に少ないからです.
ですから,本書で解説する手術は種類が限られていても,重要なものは網羅しているので,入門書としては十分に役に立つものになると確信しています.これから外科系のクリニックで手術に携わっていきたいと考えておられるナースの方に少しでもお役に立てれば幸いです.
2022年2月
市田 正成
1.緒言
2.クリニックの医師がナースに求めるもの
3.入職後の実際の仕事
2章 各 論−現場の仕事−
A 現場の基礎知識
1.手術の概要とナースの役割
2.手術器具
3.局所麻酔
B 手術の実際
1.外傷の縫合処置
2.ホクロ(母斑)の切除術
3.粉瘤の摘出術
4.脂肪腫の摘出術
5.瘢痕形成術(1)単純縫縮術 手関節部
6.瘢痕形成術(2)Z形成術 手掌部
7.瘢痕形成術(3)W形成術 前額
8.瘢痕ケロイド形成術 肩上腕部
9.遊離皮膚移植術 下腿
10.腋臭症手術
11.眼瞼下垂症
12.重瞼術(1)埋没縫合法
13.重瞼術(2)全切開法
14.下眼瞼のしわ取り術 Hamra法
15.隆鼻術
16.鼻尖縮小術(隆鼻術との複合例)
17.鼻翼縮小術
18.フェイスリフト
19.脂肪吸引術 上腕
20.脂肪注入術 顔面
21.豊胸術(1)バッグ
22.豊胸術(2)脂肪注入
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