眼科医・視能訓練士の眼科検査スタンダードテキスト,5年ぶりに改訂!
眼科検査ガイド第3版
内容
序文
主要目次
この度,“眼科検査ガイド”第3版を刊行することになりました.“眼科検査ガイド”は初版以来,眼科検査の辞書として眼科専門医から専攻医,視能訓練士,学生の皆様に広く活用されてきました.特に検査方法・機器の原理,検査のコツと注意点,データの読み方の要点をカラー写真やイラストを多用することで,理解しやすい実践書としての地位を固めてきました.
第2版が刊行されてから5年余りが経ち,この間,画像検査をはじめ機能検査,免疫学的検査などにおいて新しい検査法が開発されました.従来の検査機器もバージョンアップされ日々進化しています.現代の眼科診療の多くがこれらの検査機器に依存しています.自分の目で診る時代から機械で診る時代になり診療形態も変化しました.Withコロナの時代を迎え,オンライン診療やAI診療は非接触性検査機器を介して今後一層広がるものと思います.しかし,機器の目は必ずしも真実を伝えるものではありません.機械の仕組みを理解し,その限界を知らなければ機械的診断結果に振り回されることになります.
このような時代において眼科のプロフェッショナリティーを高め日常診療の質を向上させるためには,深い検査知識と再現性の高い検査の実践が必須です.このような観点から,第2版をさらにアップデートして最新の知見を網羅する実践書を企画致しました.
各項目は,概ね以下の構成としました.
1 検査の目的
1)検査対象
2)目標と限界
2 検査法と検査機器
1)測定原理・測定範囲
2)機器の構造
3)感度と特異度
3 検査手順
1)検査の流れ
2)機器の使い方
3)検査のコツと注意点
4 検査結果の読み方
1)正常結果
2)異常所見とその解釈
3)アーチファクト
本書が眼科検査学の標準本として日常診療に大いにお役立ていただけることを願っています.最後になりましたがご多忙のところ,快く玉稿を賜りました執筆者の皆様,文光堂編集部の皆様に心より御礼を申し上げます.
2022年1月
監修 根木 昭
編集 飯田知弘
近藤峰生
中村 誠
山田昌和
1)視力検査の条件
2)遠見視力検査(log MARを含む)
3)近見視力検査
4)小児の視力検査・行動観察による視力検査
5)両眼開放視力検査
6)省スペース視力表
7)コントラスト感度
8)グレア検査
9)読書検査
10)他覚的視力検査(心因性視力障害・詐病検査)
11)ロービジョン検査
12)身体障害者手帳・障害者年金・指定難病
2.屈折検査
1)他覚的屈折検査
①オートレフラクト(ケラト)メータ
②ポータブルオートレフラクト(ケラト)メータ
③スポットビジョンスクリーナー
④検影法
⑤波面収差解析装置
2)自覚的屈折検査(矯正視力検査)
①レンズ交換法
②雲霧法
③2色テスト(赤緑テスト)
④クロスシリンダー法
3.眼鏡・コンタクトレンズ検査
1)眼鏡処方
①遠用眼鏡,近用眼鏡,遠近両用・累進眼鏡,プリズム眼鏡,遮光眼鏡
②小児の眼鏡処方
2)眼鏡検査
①レンズメータ
②レンズ曲率
③レンズ厚
④眼鏡枠の測定
⑤瞳孔間距離
3)コンタクトレンズ検査
①コンタクトレンズの種類と選択
②フィッティング
③レンズ検査
④特殊コンタクトレンズ(円錐角膜用,オルソケラトロジー,カラーコンタクトレンズ)
4.調節・輻湊検査
1)調節検査
①自覚的調節検査
②他覚的調節検査
2)輻湊検査
5.眼位・眼球突出・眼球運動検査
1)眼位検査
①眼位定性検査(遮閉試験)
②眼位定量検査
③単眼性眼位検査
④固視検査
2)眼球突出検査
3)眼球運動検査
①9方向むき眼位
②Hess赤緑試験
③ひっぱり試験・牽引試験
④注視野検査
4)頭位の検査
5)眼球震盪の検査
6)ビデオ眼球運動記録法
7)他覚的視機能検査
6.両眼視機能検査
1)大型弱視鏡
2)立体視検査
3)網膜対応検査
4)不等像視検査
7.光覚検査
光覚検査
8.色覚検査
1)仮性同色表
2)パネルD-15テスト
3)ランタンテスト
4)100hueテスト
5)アノマロスコープ
9.視野検査
1)Goldmann視野計(動的視野検査)
2)自動視野計(静的視野検査)
①Humphrey視野計
②Octopus視野計(Pulsar視野)
③アイモ
3)Amsler Charts
4)M-CHARTS
5)眼底直視下視野計
6)色視野計測(blue on yellow視野測定)
7)瞳孔視野計
8)その他の視野計
①FDTスクリーナー
②FDTマトリックス
③noise-field campimetry(snow field campimetry)
9)緑内障の視野検査
①スクリーニング
②精密検査
③経過観察
10)神経眼科疾患の視野検査
①Goldmann視野計
②自動視野計
③中心視野と対座法
④中心フリッカー値
10.眼瞼検査
1)眼瞼痙攣の検査(瞬目検査)
2)挙筋機能検査
3)アイスパックテスト,テンシロンテスト(神経・筋負荷テスト)
4)ネオシネジン点眼負荷検査(Muller筋試験)
11.涙液・涙道検査
1)マイボグラフィー検査
2)涙液量検査
3)BUT検査
4)涙管通水試験と涙管ブジー法
5)涙道造影検査
6)涙道内視鏡検査
12.角膜・結膜・水晶体検査
1)細隙灯顕微鏡検査
2)角結膜染色法
3)前眼部写真の撮影法
4)スペキュラーマイクロスコピー
5)共焦点顕微鏡検査
6)ケラトメーター
7)角膜形状解析
①プラチド円板
②フォトケラトスコープ
③角膜トポグラフィ(Pentacam,Orbscan含む)
8)前眼部OCT検査(前眼部3次元画像解析)
9)角膜知覚測定
10)角膜厚測定の活用
11)角膜ヒステリシス測定
13.瞳孔検査
1)瞳孔径計測
2)瞳孔反応検査
3)点眼試験(瞳孔薬物負荷テスト)
4)赤外線瞳孔計
14.眼内レンズ度数計測
1)眼内レンズ度数決定の理論
2)超音波Aモード眼軸長計測
3)光学式眼軸長計測
4)乱視用眼内レンズの度数,軸の決定
5)多焦点眼内レンズの度数決定
6)レーシック眼の眼内レンズ度数決定
15.眼圧検査
1)眼圧測定法
2)眼圧日内変動
3)誘発試験
4)トリガーフィッシュ
5)コルビス
16.前房・隅角検査
1)細隙灯顕微鏡検査
①前眼部所見
②van Herick法
2)トノグラフィー
3)隅角鏡・圧迫隅角鏡
4)前眼部蛍光造影検査
5)超音波生体顕微鏡・UBM・前眼部OCT
6)レーザーフレアメータ
17.眼底検査
1)直像鏡(固視検査も含めて)
2)単眼倒像鏡
3)双眼倒像鏡(強膜圧迫法)
4)網膜硝子体の細隙灯顕微鏡検査
18.光干渉断層計
1)前眼部OCT
2)後眼部OCT(眼底3次元画像解析)
①原理と種類
②正常所見とアーチファクト
③撮影の基本
④硝子体と硝子体牽引
⑤網膜肥厚
⑥網膜菲薄
⑦網膜内囊胞・網膜分離
⑧網膜剝離
⑨網膜色素上皮隆起
⑩脈絡膜
⑪緑内障
⑫視路疾患
3)OCTアンギオグラフィ(OCTA,光干渉断層血管撮影)
①原理と撮影の基本
②正常所見とアーチファクト
③網膜病変
④脈絡膜病変
⑤視神経乳頭
19.眼底写真
1)眼底撮影
①眼底撮影
②無赤色眼底撮影
③広角眼底撮影
④合成写真
⑤立体眼底撮影
⑥RetCamによる眼底撮影
⑦手持ち眼底カメラによる眼底撮影
⑧スマートフォンによる眼底撮影
2)フルオレセイン蛍光眼底造影
3)インドシアニングリーン蛍光眼底造影
4)眼底自発蛍光撮影
5)黄斑色素測定
6)走査レーザー検眼鏡(補償光学を含む)
20.眼循環検査
1)レーザースペックルフローグラフィ
2)レーザードップラー眼底血流計
21.電気生理検査
1)網膜硝子体疾患の電気生理学的検査
①ERG(網膜電図)
②局所ERG
③多局所ERG
④EOG(眼電位図)
2)神経眼科疾患の電気生理学的検査
①VEP(視覚誘発電位)
②眼球電位図(EOG),電気眼振図(ENG)
③EMG
22.超音波・放射線・磁気共鳴画像検査
1)超音波検査(網膜硝子体)
2)単純X線写真
3)X線CT
4)MRI(眼窩)
5)MRI(頭蓋内),MRA
6)functional MRI, 拡散テンソル画像
7)PET,ガリウムシンチグラフィ,SPECT
23.検体検査
1)感染性疾患に対するPCR検査,抗原検査,抗体検査
2)角結膜のPCR検査,免疫学的検査
①クラミジア・トラコマチス検査
②アデノウイルス,AHCウイルス検査
③単純ヘルペスウイルス,水痘・帯状疱疹ウイルス検査
3)角結膜の塗抹検査
①角結膜スメア
②細菌検査
③アカントアメーバ検査
④真菌検査
4)角結膜の培養検査(細菌・真菌・アメーバ)
5)前房水の検体検査
6)硝子体の検体検査
7)病理検査
24.各種補助検査
1)ぶどう膜炎の補助検査
①一般血液検査
②血清学的検査
③免疫学的検査
④皮内反応
⑤腰椎穿刺
⑥結膜・皮膚生検
⑦網膜・脈絡膜生検
⑧全身的検査
2)アレルギー検査
3)疾患特異的抗体検査一覧
25.遺伝子検査
遺伝子検査
26.在宅医療,オンライン診療に有用な検査機器,AIによる検査
1)在宅医療
2)オンライン診療に有用な検査機器,AIによる検査
27.感染症対策・消毒法
感染症対策・消毒法
索 引